
サイード・アル・バタティ
アルムカッラ:武装集団が上級判事を殺害した直後の木曜日、フーシ派の占拠下にあるサヌアでイエメンの政治家が銃殺された。フーシ派に内紛が起きたとの憶測を呼んでいる。
サヌアの住民によれば、元国会議員でイランに支援されたテロ集団フーシ派の支持者であるアブドゥラ・モハメド・アルキブシ准将は正体不明の者らにアルハサバ近郊の自宅外で射殺された。フーシ派を支持する軍人や政治家を標的とする、走行中の車から発砲する一連の殺害事件のうち最新のものとなる。
イエメンのジャーナリスト、サム・アルゴバリ氏は、あまり知られていないこの政治家を、昨年初めに始まったマリブ中心部へのフーシ派による武力攻勢の支持者であるとする。
フーシ派はソーシャルメディア上で親族間の争いが殺害の原因であるとし、同派の治安部隊が犯人を捜索していると主張している。
木曜日早朝にも、最高裁判所判事モハメド・ハムランが武装集団により殺害されている。サヌアの路上から誘拐されてから2日後のことだった。
イエメン政府当局者や活動家は、以前の事件を引き合いに出し、武装集団による公共の土地建物の略奪や、反対者の家の差し押さえを合法化する要求を判事が拒否した後、判事を誘拐し殺害したとしてフーシ派を非難した。
世界的に認められている情報大臣であるムアンマル・アル・エルヤニ氏によれば、判事は、フーシ派を支持するジャーナリストらがテロリストを積極的に扇動した結果殺害されたという。アル・エルヤニ氏は、命令に従わない裁判官を排除しようとしているとフーシ派を非難した。
同氏はツイッターで、この凶悪な犯行は、フーシ派の命令に従わない司法とその職員に対する一連の組織的犯罪の一つであると述べた。
また、この殺人は司法に対する支配を強化し、自らの犯罪を隠蔽し、土地や不動産の略奪を正当化するために司法を利用しようとするテログループの計画の一環であるとも付け加えた。イランの支援を受けたこのグループは、政治的な意見の不一致に決着をつけるために司法を利用しようとしている、ともアル・エルヤニ氏は述べた。
フーシ派は、判事の殺害者らを逮捕したと主張している。
ソーシャルメディア上では、判事の友人らが追悼の意を表し、犯人に法の裁きを受けさせるよう求めた。
サヌアの率直な裁判官であるアブドゥル・ワハブ・カトラン氏は、ハムラン氏を彼が出会った「最も気高く、最も寛大で、最も勇敢な」裁判官であると評した。
フーシ派を支持する数名の政治家や学者、活動家や治安・軍事関係者が、フーシ派の支配下にあるイエメンの各州で暗殺された。
この殺害は、フーシ派内の様々なグループ間における血なまぐさい抗争に関する報告を裏付けている。
イエメンの国連特使であるハンス・グルンドベルグ氏は水曜日、人口が密集する都市タイズへのフーシ派の武力攻撃を強く非難し、イエメンの武装集団やその他の当事者に対し、国連主導による停戦下での公約を守るよう呼び掛けた。
「日曜日の夜、アンサール・アッラー(フーシ派の正式名称)の支配地域からタイズのダバブ地区に対し行われた攻撃を非難する。この攻撃で多数の兵士が死傷し、市民の人道状況が著しく悪化する恐れがある」と特使は声明で述べている。
フーシ派は日曜日、包囲された都市タイズの西門でイエメン政府軍を攻撃、少なくとも10名が死亡し、多数の負傷者が出ている。
地元住民や当局者によると、フーシ派は火曜日と水曜日にも政府軍に対し攻撃を行い、兵士と民間人の両方にさらなる犠牲者を出しているという。