
ドバイ:イスラエルによるシリアのアレッポ国際空港への空爆は、滑走路の3カ所に大きな陥没を作り、数日前の攻撃でも機能停止した同空港の再び閉鎖に追い込んでいたことが、AP通信が8日に分析した衛星画像で明らかになった。
イスラエルは、イランが長年の内戦で消耗を強いられているシリアのアサド大統領を支援するため武器をシリアに送っているとして、輸送を妨害する攻撃を続けている。アレッポ国際空港への6日の攻撃も、その一環として起きたものだ。
衛星画像会社プラネット・ラブズPBC(Planet Labs PBC)が7日に撮影した衛星画像では、空港の東西の滑走路に新たに3つの陥没が出来ているのが確認された。うち2つの陥没の周りには車や作業員がいたが、最も東にあるものには車の往来は見られなかった。
それより以前、7日朝に撮影された画像は、空港のすぐ南にある軍事施設の敷地内で火災が発生し、草地から煙が上がっているのを示している。午後2時過ぎに撮影された写真では、火災は鎮火されたように見えるが、草地の大部分は焼けてしまっている。この火災がイスラエルによる空爆と関連しているかどうかは、画像からは明らかではない。
シリアは多くの中東諸国と同様、一部の空港を軍民両用に活用している。今回の空爆により、アレッポ空港発着のフライトは運行を停止している。
8月31日のイスラエルによる同空港への爆撃後に残されたクレーター状の陥没は、アスファルトで修復されているように画像では見えている。
シリア外務省は7日の声明で、今回の空爆により「空港の滑走路は深刻な物質的損害を受け、使用不能に陥っている」と述べた。
外務省はまた、イスラエルが「このような危険な攻撃をエスカレートさせ、またしても地域の平和と安全を脅かし、民間人の命を危険にさらし、恐怖を与え、シリアと地域の民間航空の安全を損なっている」と非難した。
イスラエルはこの攻撃を認めていない。シリア当局は、港湾都市ラタキアの西の地中海上から発射されたミサイルによるものだと説明している。
イスラエルは、イランとイスラエルの間で長く続いている影の戦争の一環として、イランのシリアへの武器輸送を標的にすると過去に述べている。イランは、レバノンの過激派組織ヒズボラと並んで、2011年の「アラブの春」の中でシリア内戦が始まって以来、アサド政権の権力維持に極めて重要な存在となっている。
アレッポとダマスカスを結ぶシリアの旅客便は、内戦による長年の運行停止の後、2020年2月に再開されたばかりだった。
今回の空爆は、イランと世界の大国との間で行われている瀕死の核合意の復活を目指した交渉が暗礁に乗り上げ、中東全域で緊張が続いているタイミングで行われた。
AP