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イエメン情報相、イランの「破壊」活動の抑制を求める

ムアンマル・アル・エルヤニ氏は大西洋評議会に寄稿した文章の中で、イランは武装組織フーシ派に武器と資金を提供することによってイエメンでヒズボラ・モデルを構築しており、目的はイエメンを支配下に置くことだと書いている。(ロイター/資料写真)
ムアンマル・アル・エルヤニ氏は大西洋評議会に寄稿した文章の中で、イランは武装組織フーシ派に武器と資金を提供することによってイエメンでヒズボラ・モデルを構築しており、目的はイエメンを支配下に置くことだと書いている。(ロイター/資料写真)
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11 Sep 2022 08:09:47 GMT9
11 Sep 2022 08:09:47 GMT9
  • 「イランはイエメンでヒズボラ・モデルを構築している。フーシ派に武器を提供することで、イエメンを弱体化させ、紅海を通じた国際貿易とエネルギーを支配しようとしている」と同相は警告

アル・ムッカラー:イエメンのムアンマル・アル・エルヤニ情報相は国際社会に対し、イランの破壊活動を抑制するため、より強硬な行動を取るよう求めている。そして、イランはフーシ派に武器を提供することで、イエメンを弱体化させ、紅海を通じた国際貿易とエネルギーを支配しようとしている、と同相は警告している。

アル・エルヤニ氏は大西洋評議会に寄稿した文章の中で、イランは武装組織フーシ派に武器と資金を提供することによってイエメンでヒズボラ・モデルを構築していると書いている。イエメンを支配下に置き、同国を周辺国への攻撃の発射台や、バブ・エル・マンデブ海峡や紅海を通じた国際海運活動の出発点として利用することが目的だという。

「国際社会はイランの敵対行動の危険性や侵入の危険性に関心がないようだ。イランはイエメンの反体制派勢力フーシ派を支援しており、イエメンにレバノンのヒズボラのクローンをもう一つ作ろうとしている」とアル・エルヤニ氏は述べた。

「イラン政府の興味の対象はイエメンの内戦だけではない。イランはアラビア半島南部にも影響力を及ぼそうとしており、紅海、アラビア海、戦略的に重要なバブ・エル・マンデブ海峡、インド洋に沿った2500キロの長さの沿岸地域に対する支配力を強めようとしている」

10年以上にわたってイエメン政府当局は、フーシ派がイラン政府から軍事的ノウハウを教わり、資金援助や政治的支援を受けていると非難してきた。そうすることでフーシ派はイエメン政府に挑戦し、2014年にイエメンで軍事的に権力を掌握することができた。

アル・エルヤニ氏は、イランの核開発をめぐって世界の大国とイランが結ぶ可能性がある合意に関する懸念を表明した。核合意が結ばれたら、数十億ドルの資産の凍結が解除されることになるだろう。イランはそれを使い、フーシ派に圧力を掛けて和平案を拒絶させ、フーシ派の軍事力を強化し、イエメン内戦を激化させるだろう。

「長年にわたってフーシ派はイランの資源と支援を利用し、イエメン最北部の反政府組織から、地域で代理戦争を行う、イランの軍事機関へと変貌を遂げた」と同氏は述べた。

国連が仲介した停戦協定や、内戦終結に向けた他の和平努力を順守しようとしないフーシ派に高性能兵器を持たせたら、世界に惨事をもたらすだろう、とアル・エルヤニ氏は警告した。

「この脅威が影響を及ぼすのは、紅海とバブ・エル・マンデブ海峡を通じた国際貿易、世界のエネルギー安全保障、地域・国際社会の平和と安定だ」と同氏は述べた。

国連が仲介した停戦協定の下、イエメン政府は4月、戦闘を停止し、フーシ派が支配するサヌアから出発する商業便を許可し、燃料船のホデイダ入港を円滑化し、タイズや他州の交通再開に向けたフーシ派との直接協議に参加することに合意した。

国際的な圧力が高まっているにもかかわらず、フーシ派は7年に及ぶイエメン第3の都市タイズの包囲解除を拒否している。その代わりにフーシ派は軍事パレードを行い、主要都市の外で部隊を動員している。

一方、欧米の特使らは、フーシ派が国連が支援した燃料輸入協定を破っているにもかかわらず、ホデイダ港に入港する燃料船の増便を許可したとして、国際的に承認されたイエメン政府を称賛している。

「EUは、燃料船のホデイダ港入港を促進するというラシャド・アル・アリーミ大統領の意思表示を歓迎する」と国連イエメン派遣団は、イエメン大統領指導評議会議長に言及しつつ、ツイッターで発表した。「EUがフーシ派に期待するのは、この重大局面において#イエメンの人々のために、アル・アリーミ氏の善意の意思表示を見習い、停戦や停戦条項・手順を尊重し、停戦を妨げる行動を避けることだ」

米国のスティーブン・H・ファギン駐イエメン大使は、アル・アリーミ大統領が燃料船のホデイダ入港を許可したことは、国連が仲介した停戦や停戦拡大・内戦終結に向けた和平努力に対する前向きな意思表示だと述べた。

「アル・アリーミ大統領の決定によって、停戦延長・拡大を目指す国連の新たな取り組みがスタートした。そして我々は全当事者に対し、誠意と、イエメンの人々に平和と安堵をもたらすという新たな決意を持って、このプロセスに参加するよう求める」とファギン大使は声明で述べた。フーシ派は過去の燃料輸入プロセスに遅延を生じさせ、エネルギー価格を高騰させ、フーシ派支配地域で燃料危機を招いている、と同氏は批判した。

「フーシ派による燃料船の遅延は、原油価格が高騰し、病院を含む極めて重要な公共サービスへの燃料供給が制限されるというネガティブな人道的影響をもたらした」と同氏は述べた。

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