レバノンのテレビ局アル=マナールは、イラン政府関係者が20日にテヘランを訪れたレバノンの技術者代表団に対し、レバノンの電力不足を緩和するため、イランは5ヶ月間で60万トンの燃料を提供することができると述べたと報じた。
イランは過去にレバノン連立政権の一翼を担う強力な武装組織ヒズボラに燃料を供給したことがあるが、今回の燃料取引が成立すれば、イランがレバノン国家に直接燃料を供給する初めての事例となる。
レバノンは数十年にわたり燃料不足に悩まされてきた。2019年以降の経済破綻により国の財源が枯渇し、政府プラント用の燃料の輸入が滞っている。
そのため、国土の大部分では国が提供する電気は1日1〜2時間しか使えず、各家庭では世界的な燃料価格の高騰で急速に値上がりした自家発電機の契約電力に頼らざるを得なくなっている。
イランは今月初め、レバノンの発電所の稼働に必要な仕様の燃料を「贈り物」としてレバノンに提供したと、関係筋がロイターに語った。燃料の種類についての詳細は不明だ。
19日、ベイルートのイラン大使館は、燃料船は2週間以内にレバノンに到着する可能性があると述べた。
地元テレビ局のアル=マナールは、イラン政府が5ヶ月間で60万トンの燃料の提供を申し出たと報じた。エネルギー省の関係者はこの量について認め、取引は20日には確定する可能性が高いと述べた。
20日、エネルギー省の報道官はロイターに対し、「テヘランに技術代表団を派遣し、詳細を調査している」と語った。
ロイター