
ゴブラン・モハメド
カイロ:火曜にエジプト軍は、北シナイ地域でテロリストである父親に見殺しにされ、その後、兵士らに救出された少女のスペシャルドキュメンタリーを上映した。
『ヤキーン』というタイトルのこのドキュメンタリーは、アブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領も出席した、10月6日に開戦した第四次中東戦争の勝利を祝う49周年記念式典で上映された。
この映画は、最近の北シナイ地域における軍の襲撃の際に「takfiri」の父によって人間の盾として利用されたヤキーンさんの物語だ。
「takfiri」は同宗の信徒を背教者だとして非難するイスラム教徒を指すアラビア語で、非難を受けた人の殺害の要求を伴うことが多い。
このドキュメンタリーは少女を救うためのエジプト軍の取り組みをまとめたもの。
「私の名前はヤキーン。保育所に行っていた。絵を描いて色を塗るのが大好き。将来はお医者さんになりたくて、ピザが大好き」
「前は、あまり食べるものがなかった。サボテンばかり食べていた。今の場所に居られて嬉しいし、安心する」とヤキーンさんはドキュメンタリーの中で語った。
軍は、テロリストの一団が負傷した少女を連れて探索から逃れようとし、その後少女を置き去りにしたのをベドウィン(遊牧民族)が目撃したという、軍諜報部の報告に基づいて行動した。
その地点に到着した兵士らは、ひどい状態のヤキーンさんを発見した。最初に医療スタッフが手当てにあたり、エル・アリーシュ軍病院に搬送し、その後ヤキーンさんは保育所に移された。
ドキュメンタリーの中には、女優のアミナ・ハリルさんが病院にいる少女を訪問する場面もあった。
国家人権委員会の代表であるモウシラ カッターブ氏は、ヤキーンさん救出において軍が果たした役割と、国を守ることへの献身を称賛した。
同氏は、ヤキーンさんは「彼女を盾として利用したテロリストである父親の所有物ではない」と述べ、彼女は今では暴力と憎悪の気配の中で暮らしてはいないだろうと語った。
この数年間、エジプトの軍と警察はシナイ半島でダーイシュ構成員などのテロリストを排除するための大規模な作戦を行っている。
エジプト軍は8月に、シナイ部族連合と協力し、北シナイのGelbana村でダーイシュ指導者1名を殺害した。
パレスチナ人のハムザ・アデル・アル・ザミリはダーイシュのシナイ支部における最高位指導者のひとりだと考えられていた。