
エフレム・コサイファイ
ニューヨーク:18日、フォルカー・トゥルク国連人権高等弁務官は、恣意的な逮捕や子どもの殺害や拘禁などといった、イランの抗議デモ参加者に対する治安部隊の容赦ない暴力的な弾圧について深い懸念を表明した。
23歳のマフサ・アミニさんが警察による拘束中に死亡した事件をめぐってイラン全土で抗議行動が勃発してから1カ月以上が経過したが、国連人権高等弁務官事務所によると、23人もの子どもが殺害され、複数の州でさらに多くの子どもたちが、至近距離で発射された実弾や金属製ペレット弾、あるいは殴打によって負傷したという。
同事務所のラビーナ・シャムダサーニ報道官は、治安部隊が複数の学校で捜索を行い、その最中に子どもたちが、治安部隊への協力を拒否した校長と共に逮捕されたと明らかにした。
イランの教育相は、反政府デモに参加した際に拘束された「不特定多数」の子どもたちが「精神施設」に送られたことを認めた。
シャムダサーニ報道官は声明の中で、「イランが認めた人権条約の下では、同国は、いかなる状況下でも子どもの生存権を保護し、表現の自由と平和的な抗議の権利を尊重し、保護する義務を負っている」と指摘した。
「抗議デモ参加者の大量逮捕に加えて、国連人権高等弁務官事務所は、人権擁護者、弁護士、芸術家、ジャーナリストなど、少なくとも90人の市民活動に携わる人々の逮捕の報告も受けている。
10月12日には、テヘランの弁護士会の外でデモをしていた弁護士3名が逮捕されている。」
こうして高速された人々の多くは、学生、野党政治家、環境保護活動家とともに、10月15日に火災が発生したテヘランのエヴィン刑務所に収容されている。
火災をめぐる経緯は不明のままだが、爆発や銃撃があったとの報告もある。
イラン当局は、少なくとも8人の受刑者が死亡し、61人が負傷したと発表した。
伝えられるところによると、多くの受刑者が火災の最中に殴打され、他の収容施設に移送されたという。
シャムダサーニ報道官は「受刑者に対する不当な扱い、拷問、医療怠慢のパターン」についての国連人権高等弁務官事務所の懸念を改めて表明し、「弁護士と連絡を取ることも許さずに独房に隔離するなど、適正手続きの違反は一般的である」と指摘した。
「抗議デモ参加者に対する継続的な不必要かつ不釣り合いな武力行使は停止しなくてはならない。
平和的集会と表現の自由の権利を行使しただけで人びとを逮捕することは、恣意的な自由の剥奪である」とも
同事務所はイラン当局に対し、逮捕された人たち全員を直ちに釈放するよう求めるとともに、受刑者の身体的・精神的健康と福祉を保護する国際法上の義務について改めて指摘し、「いかなる武力行使も、合法性、必要性、均衡性、無差別の原則に厳密に従わなければならない」と付け加えた。
さらにイラン政府に対して、「子どもの殺害を含むすべての違反容疑について迅速、公平かつ独立した調査を行い、責任者が確実に訴追されるよう」要請し、さらに、より広い観点から、「抗議活動を暴力で抑圧するのではなく、市民の不満の根底にある原因に対処する」よう促した。