
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:イエメン大統領指導評議会は、イエメン内戦の終結を目指して親イラン武装組織フーシ派と交渉を行うため、11人の委員で構成される委員会を結成した。しかし、和平交渉を始めようとする試みが、それが国連を通じたものであっても、フーシ派に受け入れられる気配はない。
イエメン政府関係者はアラブニュースに対し、「この委員会には、クウェートやジュネーブなどで過去にフーシ派と協議を行ったベテラン交渉人がいる。女性団体の代表や、南部分離独立派『南部暫定評議会(STC)』の代表などだ」と話した。
同委員会は、現職の外相であるアハメド・アワド・ビン・ムバラク氏が率いており、元外相で、2016年にクウェートでフーシ派と和平交渉を行ったイエメン政府チームの代表を務めたアブドル・マリク・アル・ミフラーフィ氏が委員の一人として名を連ねている。
同委員会には、STCの幹部であるナセル・アル・フバジ氏や、国会議員でイスラ党の有力者であるアリ・アル・アシャル氏、協議・和解委員会のメンバーであるラシャ・ジャラム氏もいる。
ハンス・グルンドベルグ国連イエメン担当特使が主導する国際的な和平努力は今月、大打撃を受けた。フーシ派が、国連が仲介した停戦の更新を拒否したからだ。停戦は4月2日に発効し、2度延長された。
フーシ派はイエメン政府に、フーシ派支配地域にいる全ての公務員に給与を支払うよう要求している。停戦中にホデイダ港を通過する燃料運搬船から得た収入を使ってフーシ派がフーシ派支配地域の文民公務員に給与を支払い、イエメン政府が不足分を補うことを国連特使は提案したが、フーシ派は拒否している。
フーシ派はさらに、タイズに出入りするときに使われる道路を開放することによってタイズの包囲を部分的に解除することも拒否している。主要道路を少なくとも1本開放し、より狭い道路をいくつか開放するというものだ。
当事者は停戦を更新できなかったが、イエメン政府は、商業便がフーシ派が支配するサヌアから出発することを許可しており、最近はより多くの燃料運搬船がホデイダ港に到着することを許可している。
イエメン政府に要求に従うよう圧力を掛けるため、フーシ派は、政府が支配する港から石油を輸送する海運業者に、「標的にされたくないならフーシ派から許可を得ろ」と要求している。
一方、英国政府の広報官で、中東・北アフリカ地域を担当するロージー・ディアス氏はフーシ派に、停戦を更新しイエメンに平和をもたらそうとする国連特使の努力に協力するよう求めた。
「フーシ派の幹部が国連と建設的に関わり合う時が来た。我々は全当事者に対し、さらなるエスカレーションを避けるよう求める。イエメン内戦の開戦以来、和平の可能性が最も高まっているからだ。そして、イエメン人は平和を享受すべきだ」と同氏はツイートした。
イエメン内戦は、フーシ派が権力を握り、サヌアでアブドラッボ・マンスール・ハーディ元大統領を投獄した2014年9月に始まった。
そのフーシ派の動きがきっかけとなり、政府軍や抵抗勢力の兵士との残忍な争いが起きた。数千人が死亡し、数百万人が避難している。