
ガザ市:捜査当局は20日、先週ガザ地区で起きた大規模なアパート火災は、隠し芸でガソリンを使った男性の過失によって起きたと発表したが、その結論に至った経緯は説明しなかった。
この火事で同一家族の22人が死亡した。
この出来事を説明できる生存者はいなかった。
この火事は17日、アブ・ラヤ家の住まいであるアパートの3階の部屋で発生した。
このアパートは、ガザ北部にある人の多いジャバリア難民キャンプの中にあった。
当局は当初、21人が死亡したと発表していた。
ガザのモハメド・アル・ナハル検事総長は20日、死者は22人になったと発表した。
同氏によると、ナデール・アブ・ラヤさんは、海外旅行から帰ってきた兄を祝うために両親と兄弟姉妹、彼らの子供たちを招待していた。
招待客が全員その家に集まると、ナデールさんは居間で、ガソリンを使った隠し芸らしきものの準備を始めた、とアル・ナハル氏は述べた。
「この火事の原因は、パーティーで火を使ったお祝いの出し物をしようとしてガソリンを使ったナデールさんだった」と、ハマスに任命された検事総長である同氏は声明で発表した。
「ナデールさんは制御できなくなり、火が近くにあったガソリンの容器に到達し、炎が噴出した」
その結果起きた火事は、イスラエル・パレスチナ紛争を除けば、ここ数年で最も多くの死者を出した事件となった。
死亡したのは3世代の人たちだった。
夫婦と息子5人、娘1人、義理の娘2人が亡くなり、孫は少なくとも11人死亡した。
近所の人たちは燃えている階に行こうとしたが、その3階建ての建物の外側のドアに鍵がかかっていたため、到着が遅れた。
捜査当局は、その建物に住んでいない、ナデール・アブ・ラヤさんの親族に話を聞いた。
その女性は、ナデールさんは火を使った宴会芸をするのが好きだったと話した。
検察官は、ナデールさんの携帯電話に入っていた、以前に録画された動画を提示した。
その検察官によると、その動画には家の様子が映っていたが、天井からぶら下がっている塗装された車のタイヤなど、可燃性の高いものでいっぱいだったという。
当初、ハマスはガソリンの貯蔵が原因でこの火事が起きたと発表していた。
2007年にハマスが制圧して以来、ガザを襲っている深刻なエネルギー危機を考えると、そうした火事が起きるのは珍しいことではない。
当時、イスラエルとエジプトはハマスを孤立させるためにガザを封鎖していた。
今回の火事によって、ガザのインフラの脆弱性がさらに露呈した。
目撃者によると、消防車1台が現場に到着したが、消防士を3階に運ぶためのはしごが付いていなかったという。
イスラエルは、ハマスが武器を備蓄するのを防ぐために封鎖が必要だと主張している。
イスラエルを批判する人たちは、封鎖は、ガザに住む230万人に対する集団的懲罰の一つであると考えている。