
アラブニュース
ジェッダ:イランは月曜日、核拡散防止条約(NPT)から脱退し、核爆弾製造への道を切り開くと脅した。
この脅迫は、制裁緩和と引き換えにイラン政府による核プログラムを食い止める2015年の協定、包括的共同作業計画(JCPOA)を守るための、イランの最新の一手だ。
アメリカのドナルド・トランプ大統領は2018年5月にJCPOAから離脱し、再び制裁を課した。これに対して、イランは、ヨーロッパ各国に協定を守るよう圧力を掛ける試みとして、合意に反する形でウラン濃縮を開始した。
この作戦は先週、裏目に出ることとなり、イギリス、フランス、ドイツがイランによるJCPOA違反を宣告し、紛争解決メカニズムが発動されることとなった。この下で、問題は国連安保理に通知され、60日以内に国連の全面的制裁が再度課されることになる。
「ヨーロッパ各国が不適切な態度を取り続けたり、イランの問題を安保理に送ったりするなら、我々はNPTから脱退する」と、月曜日、イランのジャヴァード・ザリーフ外相が述べた。
イラン外務省のアッバス・ムーサヴィー報道官は次のように述べた:「イランが協定に違反しているというヨーロッパ各国の主張は事実無根だ。イランが核への取り組みをさらに弱めるかどうかは、その他の当事者次第であり、イランの国益が協定下で守られるかどうかにかかっている」。
1968年のNPTは、冷戦以後の世界的な核兵器管理を築き上げた。190ヶ国が署名したこの条約は、アメリカ、ロシア、中国、イギリス、フランスを除く締約国に対し、国連の監視の下で発電などの平和的な核プログラムの追及を認める代わりに、核兵器の入手を禁止している。
NPTから唯一離脱を宣言した国は北朝鮮で、核査察官を追放し、大っぴらに核兵器実験を行ってきた。核武装をしているインド、パキスタン、イスラエルは一度も署名していない。
NPTから脱退した場合、イランは「核プログラムのペースを加速させるだろう」と、安全保障アナリストのテオドール・カラシック博士がアラブニュースに語った。ワシントンDCの湾岸国アナリティクスで上級顧問を務めるカラシック氏は、イラン政府が既にJCPOAを破棄したことの重大さを示すことにもなるだろうと述べた。
「北朝鮮は2003年に条約から脱退し、当然ながら、核兵器製造へと向かった」と彼は語った。
「従って、イランと北朝鮮は、核科学者間の個人的関係から、今後の交渉の可能性という観点からは、同じ戦略的グループに入ることになる」。
「ウクライナの民間機撃墜をきっかけに、イランの西側や近隣諸国に関する意思決定は、より攻撃的な方向へと転換している」。