
サイード・アル・バタティ
アル・ムッカラー:モロッコの大学で学位を取得したばかりのイエメン人博士が、欧州に向かうために乗っていたボートが転覆し、スペイン沿岸で遺体で発見された。
モロッコからの不法移民を乗せていた船舶がスペインの都市セウタの近海で転覆し、デフ・アラー・アル・タイファニ氏が溺死したと報じられた。
この事件は、イエメンでの紛争の終結を求める新たな要望と、イエメン人に対し、ヨーロッパへの危険な横断を試みないようにという警告を引き起こした。
イエメンのニュースサイト『アル・マスダール・オンライン』によると、イエメン人のアル・タイファニ氏はラバトのムハンマド5世大学で現代イスラム思想の博士号を取得していた。
同氏は、イエメンの資金援助省幹部の親族と交代させられ、資金援助省の職を失った。同氏は、自身を復職させ、賃金を元の状態に戻すよう政府に請願していたと報道されている。
なお、同氏の妻は2019年にがん関連の病気で亡くなっている。
『アル・マスダール・オンライン』の編集者であるアリ・アル・ファキ氏は、アラブニュースに次のように語った。「戦争が長引く中、国に帰れない多くのエリート層が、欧州に安全な生活環境を求め始めています」
イエメン紛争は、2014年末にイランの支援を受けたフーシ派が権力を掌握し、国全体に拡大したことから始まった。何千人ものイエメン人が家を追われ、その多くは最終的に近隣諸国の政府管理下の地域、あるいはさらに遠隔地に避難した。
11月には、ギリシャのサモス島沖にて強風で船が転覆し、イエメン人の若者3人が遺体で発見された。この若者たちはトルコのイズミル県から欧州へ向けて船で出発した12人の不法移民のうちの3人だった。
ベラルーシ経由でポーランドに入国しようとするイエメン人不法移民の流入で、厳しい治安対策が講じられ数人の死者が出たことから、ワルシャワのイエメン大使館は自国民にポーランド入国を控えるよう勧告している。
ツイートの中で、当局者は次のように述べた。「ワルシャワのイエメン大使館は、密輸グループに唆されたり、ポーランド領土への不法入国を求めたりしないよう全国民に注意を促しています」
報道によると、イエメンを拠点とする密輸グループやエジプトなどの他のグループが、イエメン人をトルコやベラルーシなどの中継地点に不法に移動させており、EU領域への越境の指示に関与しているとのことである。
昨年、ベラルーシとポーランドの国境で多くのイエメン人が凍死し、ポーランドのイエメン大使館はさらに多数の人々を避難させた。
アル・ファキ氏は次のように語った。「イエメン人の欧州への流入は増加していますが、その人数はシリア、アフガニスタン、パレスチナなど他の紛争国からの移民に比べれば相対的に少数です」