
ジュネーブ:国連は12月20日、3か月以上にわたりイラン全土を揺るがしている女性主導のデモに対する暴力的取り締まりに関する人権調査を担当する女性3名を指名した。
バングラデシュの最高裁の法廷弁護士サラ・ホセイン、パキスタンの法学教授シャヒーン・サルダール・アリ、アルゼンチン出身の人権活動家のヴィヴィアナ・クルスティセヴィクの3氏は事実調査団の独立メンバーとして調査に当たると、国連人権理事会のフェデリコ・ビジェガス議長が明らかにした。
議長によると、人権活動家として長いキャリアを持つホセイン氏が調査を指揮する。
先月の人権理事会で47の加盟国が賛成した国際調査団の設立に激しく反発したイランが調査のために3人の入国を認める可能性は極めて低いと見られる。
3人の女性はイラン当局のデモ弾圧と人権侵害の可能性を明らかにし、イラン内外で政府関係者に対して法的措置を取ることも視野に入れている。
1979年のイラン革命以来見られなかった規模の抗議デモは9月にクルド系イラン人のマフサ・アミニ氏が拘留中に死亡したことをきっかけに全国に広がっており、治安部隊による暴力的で、時には死者を出すほどの厳しい取り締まりが行われている。
22歳だったアミニ氏はイスラムの教えに基づく頭部を覆うスカーフを正しく着用せず、厳格な服装規定に違反したとして悪名高いイランの道徳警察に逮捕されていた。この件が引き金となり、女性の権利保護を求める全国規模の騒乱が起きた。
イラン当局は、デモは長年の敵であるイスラエルとアメリカが扇動したものだと主張し、デモ参加者数名を処刑し、さらに複数名に死刑を宣告している。
人権団体によると、法的な手続きが余りに速く進められており、自白は拷問により引き出されている。
国連は9月中旬以降、約1万4,000人が逮捕されたと推定しており、オスロを拠点とするNGO、イラン・ヒューマン・ライツは469人のデモ参加者が殺害されたとしている。
AFP