
キーウ:18日朝、キーウ近郊の幼稚園付近にヘリコプターが墜落し、ウクライナの内相や高官、3人の子供を含む18人が死亡したとウクライナ当局が発表した。
地元の知事は首都の北東に位置するブロヴァリの住宅地にヘリコプターが墜落し、子供15人を含む29人が負傷したと述べている。
被害を受けた幼稚園の近くの中庭には、アルミシートで覆われた遺体が数体置かれた。現場には救急隊員の姿が見られ、庭には瓦礫が散乱していた。
国家警察のイホル・クリメンコ長官は、国家緊急事態庁のヘリコプターに搭乗していたデニス・モナスティルスキー内務相が同省のエフゲニー・イエニン第1次官やその他の職員とともに死亡したと述べた。
「この悲劇が起こったとき、幼稚園には子供や(中略)職員がいた」とキーウ州のオレクシイ・クレバ知事はテレグラムに書いている。
墜落の原因は今のところ解明されていない。昨年2月にウクライナ侵攻を開始したロシアは事件についてコメントしておらず、ウクライナ側からも当時ロシアの攻撃があったという報告はない。
警察や国内の治安を担当していた内相は、今回の戦争以降に亡くなった最も高位の政府関係者ということになる。
これとは別に、ウクライナ当局は夜間に東部で戦闘が激化したことを報告している。ここ2か月ほど前線で激しい戦いが続いているが、双方とも多くの犠牲者を出しながら戦果を得ることができないでいる。
ウクライナ軍によると、東部のバフムート市やその南隣のクリシュチーウカ村で反撃に成功している。ロシア側はここ数週間、バフムート市に集中攻撃を仕掛けており、市の北にある鉱山の町ソレダルを抑えたと先週主張していた。
昨年の後半はウクライナ側が大きな戦果を上げたが、ここ2か月は前線での戦闘が激化している。ウクライナ政府は西側の新たな武器を使って反撃を再開し、領土を取り戻したいと考えている。なかでも重戦車は兵士に機動性と防御能力を授け、ロシア側に切り込むことができるという。
西側の同盟国は20日にドイツの米軍基地で会合を開き、ウクライナへのさらなる武器供与について宣言する見通し。自国のレオパルト戦車(欧州の軍隊で広く使用され、ウクライナに最も適していると見なされている)を送る決定に拒否権を有するドイツに特に注目が集まっている。
戦車に関する決定は、新たに国防相となったボリス・ピストリウス氏の最初の仕事になるとドイツ政府は述べている。
先週末、イギリスは自国のチャレンジャー戦車大隊について約束し、主力戦車を送るという西側のタブーを破ったが、ドイツにも提供するように求めている。ポーランドとフィンランドは、ドイツ政府の許可があり次第レオパルトを提供する準備を整えている。
ロイター