モントリオール:カナダ政府は2023年1月20日金曜、シリア北東部にあるダーイシュ戦闘員家族用キャンプに収容されている女性6人、乳幼児13人を本国に送還すると発表した。
これはカナダにとってこれまでで最大規模のダーイシュ戦闘員家族の本国送還となる。カナダ権利自由憲章の下でその義務があるとして、女性らが政府による彼らの本国送還を求め法廷に訴えていた。
2023年1月20日、カナダ外務省は彼らの帰国申請について「相互に受け入れ可能な解決」に達したと発表した。
この合意により女性と子供19人の本国送還が決定したが、この訴訟に参加していた男性4人については数週間のうちに判決が下る。
「カナダ国民の安全が政府の最優先事項である」とカナダ外務省は述べた。
「2021年に採択された政策の枠組みに沿って、カナダへの送還を含む特別な支援の提供をケース・バイ・ケースで判断する」と述べた。
ジャスティン・トルドー政権はこれまで、収容されたダーイシュ戦闘員の家族ついては、ケース・バイ・ケースで対応してきており、この4年間で本国へ送還された女性や子供の人数はほんの一握りだ。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、2019 年にシリアとイラクでダーイシュの「カリフ制」が崩壊して以来、ダーイシュとのつながりが疑われる外国人の大人と子供4万2400人以上がシリアのキャンプに拘束されているという。
彼らの本国送還は多くの国にとって非常にデリケートな問題だが、人権団体は主にシリアのクルド人管理下にあるキャンプから、自国民を本国へ送還することについて各国が消極的であると非難している。
ヒューマン・ライツ・ウォッチによると、乳幼児10人を含むカナダ人約30名がキャンプに残されているという。ヒューマン・ライツ・ウォッチのカナダ代表Farida Deif氏によると、カナダ外務省がその多くの人に対して本国送還の条件を満たしていると手紙を出したという。
しかしながら、同氏は「これまでのところ、通知を受けたり、合意に加わっている人はいない」と述べた。
外務省は19人がいつカナダへ帰国するのか、また、ダーイシュとの関係について法的な手続きを行うかについては明らかにしていない。
昨年10月、カナダは女性2人、子供2人をシリアから自国へ送還した。
2020年には、叔父が政府に対し法的措置を取ったことで、カナダ政府は5歳の女児のシリアからの帰国を許可している。
AFP