
カイロ:エジプトの名高い考古学者が、カイロ近郊のファラオの墓地で古代の墓2基をはじめ数十の新たな発見があったことを発表した。
元考古相で発掘調査の責任者であるザヒ・ハワス氏は、ギザのピラミッド付近のサッカラでの発見は、およそ紀元前2500年から2100年に及ぶ古王国時代の第5王朝と第6王朝のものだと述べた。
「エジプト考古最高評議会と共に行った合同調査の発掘作業で古王国時代の墓が発見されました。これは重要な墓を数多く擁する広大な墓地の存在を示しています」とハワス氏は説明した。
「1つ目は、第5王朝最後の王ウナスのピラミッド群の上流階級の監督者で神官であったクヌムジェドエフの墓です。墓は色鮮やかで暮らしの様子が描かれています」
「2つ目は『秘密の番人』で、宮殿の副司令官として知られるメッシの墓です」とハワス氏は言った。
調査チームは、メッシが所有していたと考えられる使用人を象った色つきの石灰岩の像も多数発見した。
また、15メートルの井戸の底の隠れた部屋で、ハカ・シャビスと呼ばれる人物の石灰岩の棺が見つかったという。
「この棺は約4300年間一度も触れられていなかったことが明らかになりました。蓋を開けると、金箔で覆われた男性のミイラが入っていました。これは今までに発見された王族以外の人物のミイラとしては最も完全で古いものと考えられます」
裁判官で作家のフェテクのミイラ化した遺体を収めた棺と供物台のそばに、彼を象った彫像群も見つかった。
エジプト考古最高評議会事務局長のモスタファ・ワジリ博士によると、サッカラ地域では過去1世紀にわたって多くの彫像が発掘されてきたが、今回発見された規模のものは非常に珍しいという。
「今回の発掘調査では、魔除け、化粧道具、プタハ・ソーカーの神の像、神々を象った像、陶器や奉納器なども多数見つかりました」
サッカラの考古学的に重要な地域にはまだ多くの謎があり、発見されるのを待っているとハワス氏は語った。