
アラブニュース
クウェート: 世界中の企業や機関に深刻な脅威を与えているサイバー犯罪の件数増加に対処するため、予防策の構築が必要だと米国のサイバーセキュリティ専門家は語る。
「サイバー犯罪が発生した後に採られる様々な対応策と比較して、予防こそ金銭的にも倫理的にも最も効率的かつコストのかからない手段です」米国中央情報局(CIA)の元局員で元外交官のギレルモ・クリステンセン氏は、クウェートの報道機関が28日に行ったインタビューでそう述べた。
クリステンセン氏は、アクセスポイントおよびコンピューターの数の多さを理由に、米国はあらゆる種類のデジタル犯罪に対して最も脆弱な国だと指摘した。
様々な国、特にクウェートのネットワークを守り、セキュリティを支援することは米国のサイバーセキュリティに直接的に良い影響を与えるとクリステンセン氏は付け加えた。
元CIA局員のクリステンセン氏は1週間の滞在中、様々な業界のサイバーセキュリティ専門家に向けて、講義やワークショップを行ってきた。
知識と経験を共有し様々なサイバー犯罪のシナリオについて議論することは、各国およびその機関がデジタル空間とデータに対する侵害によってもたらされうる危機を回避するために有益であることをクリステンセン氏は強調した。
2020年に米国連邦捜査局(FBI)が公開した報告書が示すようにサイバー犯罪は増加しており、全世界の1日あたりのサイバー攻撃の件数は2,000件を超え、昨年の合計被害額は42億ドルに上るとクリステンセン氏は指摘した。
クリステンセン氏は世界中で記録されてきた数々のサイバー攻撃について言及し、数多くの病院に対する攻撃に加え、サイバー犯罪者が燃料の移動とエネルギーパイプラインを麻痺させたことを挙げ、これらの攻撃が様々な分野に深刻な損害を引き起こし、多くの命が失われたことを示した。
クリステンセン氏は、メールやソーシャルメディアなどの異なるアカウントで同じパスワードを使わない、多くのデジタルサービスやプログラムで提供されている2段階認証の利用に加えて、連続性のない数字を追加することでパスワードをより複雑で解読しにくいものにするといったアドバイスを送った。