
モハメッド・ナジブ
ラマッラー:木曜のジェニンへの攻撃において、イスラエル兵が男性8名とともにパレスチナ人女性1名を殺害したことが、広く非難されている。
マジダ・オバイドさん(61)は自宅の中にいて、攻撃部隊に危険をもたらさなかったと、ジェニンのパレスチナ人情報提供者はアラブニュースに語った。
この殺害により、マジダさんの家族だけでなく、街の人々も深いショックを受けている。
政府職員である娘のキファヤ・オバイドさん(26)はアラブニュ-スに対し、午前9時ごろ、母親がお祈りを終えた後に、自宅のちょうど向かいのエリアでの激しい銃声を耳にしたと語った。
「母は窓を開けて何が起きているのか確認しようとしました。そして、1分と経たないうちに母が首を撃たれ、私は驚きました。母は椅子から床へくずれ落ち、血を流していました」
キファヤさんは叫び出し、出血している傷口を手でふさごうとした。ボランティアの救急医療隊員が応急処置を行おうとやってきたが、イスラエル部隊は隊員らに向かって発砲し始めた。隊員たちはもう一度撃たれることを避けるため、マジダさんを部屋から引っ張り出した。
5人の娘と1人の息子の母であるマジダさんは、2人の娘、キファヤさんとシリーンさんとともにジェニンで暮らしていた。
キファヤさんは母親のことを、いつも神様に殉教者として死ねるよう祈る、素朴で信心深い人だったと語った。キファヤさんによると、殺害された時は断食中だったという。
「イスラエル兵がこれほど残忍に私の家や家族を標的としたのは、今回が初めてです。彼らは動くものを何でも撃っていました」と、キファヤさんは述べた。
キファヤさんは、「母親がいない家で暮らすのはつらいですが、殉教者の娘となったことを誇りに思っています」と語った。
死亡が確認されるとすぐに、イスラエルの工場で働く父親のオマル・オバイドさん(58)が、妻の葬儀に参加するため、家に帰ってきた。
既婚の娘の1人はイスラエル南部のベエルシェバに、もう1人はヨルダンに住んでいる。葬儀は家族が到着するまで延期された。
キファヤさんはいまだに、なぜイスラエル兵が自宅の中にいる母親を標的としたのか理解できないと述べ、この殺害に関して公正な調査が行われるかどうか分からないと語った。
「誰も責任を取らされないので、彼らの調査を信用することはできません。アルジャジーラのジャーナリスト、シリーン・アブアクラさんの身に起こった実例によって、私の確信は強まりました」という。
アルジャジーラで25年にわたって記者として働いていたパレスチナ系米国人ジャーナリストのアブアクラさんは、2022年5月11日、イスラエルによるジェニンへの襲撃を取材していた際に、イスラエル兵に殺害された。
オマル・オバイドさんはアラブニュースに対し、「卑劣なイスラエルの占領者は、女性や子どもを区別しません」と語った。
また、次のように述べた。「こういった憎しみに満ちた相手に何を期待できるでしょう。マジダは自宅に座っている時に、直接銃撃を向けられ、死んでしまいました。彼女は、このような恐ろしいやり方で標的とされる原因となるような抵抗も、軍に向けての発砲もしませんでした」
「私たちは調査を信じません。彼らは無差別に銃撃していたのであり、こういった殺人者たちのように無差別に銃撃する軍は世界のどこにもありません」
「こんなことが起こるとは思っていませんでした。彼女亡き後の私の人生はつらく厳しいものとなり、彼女をとても恋しく思うでしょう」
マジダさんは、ジェニンで今年初めて殺害された女性となった。昨年のジェニンにおけるイスラエルとの衝突による死者は合計59名にのぼり、うち34名は民間人だった。