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国連機関、シリアの飢餓率が記録的な高さに上昇していると警告

世界食糧計画(WFP)のトラックがシリアのイドリブを走り抜けている。(AFP)
世界食糧計画(WFP)のトラックがシリアのイドリブを走り抜けている。(AFP)
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29 Jan 2023 04:01:53 GMT9
29 Jan 2023 04:01:53 GMT9
  • 子供や母親の栄養失調が「かつてない速度で増加している」と世界食糧計画は発表

ベイルート: 破滅的な内戦が10年以上続いた後、シリアの飢餓率は記録的な高さに上昇している、と世界食糧計画(WFP)は警告している。

長年続く経済危機を引き起こし、重要インフラを破壊した悲惨な内戦によって、290万人が飢餓に陥る危険にさらされており、1200万人が、どうしたら次の食事にありつけるのか分からなくなっている、とWFPは発表した。

「シリアの飢餓率は12年ぶりの高さに上昇」しており、人口の7割が近いうちに「家族のために食卓に食べ物を並べることができなくなる」可能性がある、と声明には書かれていた。

「シリアは現在、食料が満足に手に入らない人が世界で6番目に多い国になっている」とWFPは補足した。食料価格はここ3年で約12倍に上昇している。

内戦が10年以上続く中、子供や母親の栄養失調も「かつてない速度で増加している」

WFPのデービッド・ビーズリー事務局長は今週、シリアを訪問したときに、「国際社会がシリア人への支援を強化しなければ、国際社会は新たな大量難民の波に直面する危険性がある」と警告した。

「それが国際社会が望んでいることなのか」と同氏は問いかけた。同氏は支援国に対し、「この迫り来る大惨事を回避する」ために一層の努力をするよう求めた。

国連の推定によると、シリアに住む1800万人のうち9割が貧困状態にあり、経済は、内戦、干ばつ、コレラ、新型コロナウイルス感染症の世界的流行、そして隣国レバノンの財政破綻の影響で打撃を受けている。

シリア内戦は、平和的な抗議行動が残忍に弾圧されて始まった。

約50万人が殺され、この内戦でシリアの戦前の人口の約半数が住む家を追われた。

シリア外務省は28日、2018年にドゥーマで行われた化学兵器攻撃はアサド政権によるものだとする化学兵器禁止機関(OPCW)の報告書は証拠を欠いているとし、疑惑を否定した。

OPCWは27日、約2年にわたる調査で、シリア軍のヘリコプター少なくとも1機が、ガスボンベをドゥーマのアパートに投下し、43人を殺害したことが分かったと発表した。

シリア内戦中にシリア空軍のヘリコプター少なくとも1機が、有毒なガスを詰めたボンベ2本を、反政府勢力が支配するドゥーマに投下したと「信じるに足る合理的な根拠がある」と調査団は主張した。

OPCWのフェルナンド・アリアス事務局長は「世界は今、事実を知っている」と述べた。

「行動を起こすのは国際社会次第だ」とアリアス氏は声明で訴えた。

シリアと同盟国ロシアは、2018年4月7日に行なわれた攻撃は、米国の命令により、救助隊が行ったものだと主張している。米国はその後、英仏とともにシリアを空爆した。

ドゥーマの事例も物議を醸した。2人の元職員からのリークによりOPCWは、元の調査結果をより説得力のあるものにするために改ざんしたとして非難された。

しかしOPCWは、調査団が「あり得るさまざまなシナリオを考慮」し、「シリア空軍がこの攻撃の実行者である」と結論づけたと発表した。

西側諸国は一斉にシリアに対し、この「恐ろしい」攻撃の責任を取るよう求めた。

米国のアントニー・ブリンケン国務長官と英仏独の外相は共同声明を出し、「我々はロシア連邦に対し、シリアを化学兵器を使用した責任から守るのをやめるよう求める」と主張した。

「ロシアがいくら偽情報を流しても、アサド政権の悪事に手を貸していることは隠せない」

AFP

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