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レバノン軍司令官、大統領候補に浮上

大統領候補に浮上しているレバノン軍司令官のジョセフ・アウン将軍。(ファイル写真:AFP)
大統領候補に浮上しているレバノン軍司令官のジョセフ・アウン将軍。(ファイル写真:AFP)
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03 Feb 2023 07:02:49 GMT9
03 Feb 2023 07:02:49 GMT9

アウン将軍とブカーリ駐レバノン・サウジアラビア大使が会談

レバノンは4カ月前から大統領不在の状態が続いている

ベイルート: ワリード・アル・ブカーリ駐レバノン・サウジアラビア大使は2日、レバノン軍司令官のジョセフ・アウン将軍と会談を行った。この会談は、レバノンの各政党が新大統領候補について合意に至るための議論を重ねているタイミングで行われたもので、アウン将軍が有力な選択肢となる可能性が浮上している。

ナジャ・フーサリ

今回のアウン将軍とブカーリ大使の会談は、来週月曜日に予定されているレバノン情勢を議論するパリ国際会議に先立つものである。この会議には、米国、フランス、サウジアラビア、カタール、エジプト各国の外相、大使、顧問が出席する予定となっている。

レバノンは4カ月前に大統領不在の状態に陥り、それ以来、議会は11回に及ぶ投票を行っているが依然として新大統領を選出することができないでいる。同国の国政は、ナジーブ・ミカティ氏が率いる暫定政権が運営している。

レバノン国民は、パリでの国際会議が現在の政治危機の解決策を提示できるのではないかと期待を寄せている。 一方ではヒズボラとその同盟者たち、他方ではその反対派、という議会会派の分裂により、候補が誰であろうと過半数を得られる見通しが立たないためだ。

政治危機は出口の見えない経済危機を伴い、レバノン国民を疲弊させてきた。党派対立に縛られた政治体制にますます国民の幻滅の的になっている。

1日の夜、キリスト教宗教当局の首脳会議が開かれ、マロン派総主教のビシャーラ・ブトロス・アル・ライ氏に、64人のキリスト教議員を総主教庁に招待し、また他の議員たちに新大統領が選出されるまで投票プロセスから離脱しないよう促す権限を付与した。

レバノン軍団のサミール・ジャアジャア党首は、それで膠着状態が解消するならば、アウン元大統領を大統領に選出してもかまわない、と述べた。しかし、自由愛国運動はこの選択肢を拒否しており、同党党首のジブラーン・バシール議員は29日の演説でアウン元大統領を激しく批判した。

アルメニアン・タシュナク党の事務局長であるハゴプ・パクラドゥニアン議員は、危機を解決する方法として、キリスト教当局からの対話の呼びかけを歓迎している。「我々は、祖国レバノンを救う取り組みに前向きであり、対話には真っ先に参加する」と同事務局長は述べた。

一方、レバノン国際援助コーディネーターのピエール・デュカン氏が、2日にベイルートでミカティ暫定首相と会談した。デュカン氏は、今回の会談が、エネルギー分野でのレバノンへの支援を求める、エジプトやヨルダンなど中東諸国訪問の一環であることを強調した。

デュカン氏は次のように説明している。「私は、今後数週間のうちに米国を訪問し、レバノンのエネルギー危機解決を支援するため、エジプトからのガス、シリア経由でヨルダンからの電力の供給に関連して、シーザー法(The Caesar Act)から電力分野を除外する可能性を米国当局者と話し合う予定です」

デュカン氏はまた、世界銀行がエネルギー分野での支援のために要求した2つの条件、すなわち、Electricite du Liban(EDL、レバノン電力公社)の会計監査と電力規制当局の設立を、有効な法律に従って実施する必要性も強調した。

フランスと国際社会にとってレバノンの経済回復に不可欠な要素である、国際通貨基金(IMF)との最終合意に署名するために必要な手続きを完了することの重要性も、デュカン氏は指摘した。

「(IMFとの)合意は、レバノン、その制度、政府の行動に対する国際的な信頼を高めるものです」と同氏は語っている。

フランス大使館は、レバノンのエネルギー部門の発展に向け、必要な改革への対応に加え、EDF、トタルエナジーズ、ネクサンズといったフランス企業の活動をも通じて、レバノン情勢に積極的に関与して行く同国の姿勢を強調している。

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