カイロ:アラブとイスラム諸国の首脳や高官数十人が12日、エルサレムと占領下のヨルダン川西岸地区における最近のイスラエルの行動を非難した。それら地域では、イスラエルとパレスチナ人の間で暴力が急増している。
カイロでの会合はアラブ連盟が主催し、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領、ヨルダンのアブドッラー2世・イブン・アル・フセイン国王陛下、パレスチナのマフムード・アッバース大統領が、多くの外相や高官と共に出席した。
エルサレムと隣接するイスラエル占領地域は、ここ数年で最も多くの犠牲者を出している交戦期間の1つに突入しており、このハイレベルな会合はその最中で開催された。AP通信の集計によると、今年に入ってから45人のパレスチナ人が殺害されている。この間、パレスチナ人はイスラエル側で10人を殺害している。
会合での発言者らは、エルサレムとヨルダン川西岸地区における家屋の破壊や入植地の拡大など、イスラエルの「一方的な措置」を非難した。
彼らはまた、ユダヤ教徒とイスラム教徒の両方にとって神聖であり、頻繁にイスラエルとパレスチナ間の騒動の震源地となってきた同市の聖地を、イスラエル政府関係者が訪問することも非難した。
イスラエル政府からの緊急コメントはない。
当局者はまた、イスラム教で3番目に神聖な場所であるアルアクサ・モスクの管理者としてのヨルダンの役割への支持を表明した。同モスクは、ユダヤ人にとって最も神聖な場所であるエルサレム旧市街の丘の上に建っている。古代にユダヤ教の神殿があったことから、ユダヤの人々はそこを「神殿の丘」と呼んでいる。
1967年の中東戦争でイスラエルがその場所を占領して以来、ユダヤ人はそこを訪れることはできても、そこで祈ることは許されていない。イスラエルはエルサレム全域を、再分割されることのない首都と主張している。一方で、パレスチナは東エルサレムを将来独立する国の首都と見なしている。
エルサレムを「パレスチナの大義の拠り所」と呼んだエルシーシ大統領は、聖地の現状を変えようとするイスラエルの動きは恐ろしい反動を生むと警告し、イスラエル・パレスチナ紛争を解決するための将来の交渉に「悪影響を与える」と述べた。
また、そのような措置は長らく求められてきた紛争の二国家解決を妨げ、「両当事者と中東全体に困難で深刻な選択肢を」残すことになるだろうと述べた。
アラブ国家として初めてイスラエルと外交関係を結んだエルシーシ大統領は、国際社会に対し、「二国家解決策を強化し、和平プロセスの再開に有利な条件を整える」よう呼びかけた。
汎アラブ組織のアフマド・アブルゲイト事務総長も、アルアクサ・モスクを分割し、そのアラブとイスラムのアイデンティティを消滅させようとする試みは、「果てしない不安と暴力を助長するだろう」と警告した。
パレスチナのアッバース大統領は、自らの政権は国連とその機関に頼り、紛争の二国家解決を守るための決議を要求すると述べた。
「パレスチナ国家は、我が国民の正当な権利を守るために、国際裁判所や国際機関に訴え続けるだろう」とアッバース大統領は述べた。
現在も続いている暴力の応酬は、地域を窮地に追い込んでいる。先月、米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、エジプト、イスラエル、パレスチナの指導者と会談し、緊張を緩和するよう促した。
イスラエルを動かしているのは、ベンヤミン・ネタニヤフ首相の新しい極右政権である。ネタニヤフ政権の政治家の多くは、パレスチナの独立に反対している。
AP