
ナジャ・フーサリ
ベイルート:12日、レバノンの1人の宗教指導者が、政治家が「権力と影響力」を乱用して大統領の選出や国家機関の活動を妨害していると非難した。
キリスト教マロン派のビシャーラ・ブトロス・アル・ライ総主教は同日の説教において、アラブや世界のコミュニティが政治家の「腐敗」を非難していると述べた。そして、早急に議会を開き、新たな元首を選出すべきと訴えた。
「確かに大統領はマロン派だが、有権者がすべてマロン派やキリスト教徒なわけではない」と総主教は語った。
「大統領が決まらないことについて、キリスト教の指導者たちに責任があることは間違いない。だが、それよりも大きな責任がそれ以外の者たちにある。キリスト教徒は大統領のアイデンティティに賛成できないが、それ以外の人々は共和国のアイデンティティに賛成できないのだ」
「したがって、私たちは大統領のアイデンティティも共和国のアイデンティティも傷付けないようにしなければならない。なぜなら、両者はレバノンの連帯を保証する存在だからだ」
国会議員に対しては、以下のように問いかけた。「議会や政府の仕事を法制化する大統領を選出するという憲法上の最高の責任を果たしているだろうか? 国際的に求められている改革を実行しているだろうか?」
「司法がその義務を果たし、ベイルート港の爆発事件を調査して真実を明らかにし、正義を実行できるようにしているだろうか?」
「国際通貨基金や国際社会が期待している方策を実行しているだろうか?」
「法による統治を実現し、混乱や違法な武器の拡散を防ぎ、無法地帯にならないように努めているだろうか?」
「国土全域でレバノンの主権を固め、独立を確立しようとしているだろうか?」
先週、フランスやサウジアラビア、エジプト、カタール、米国の代表者がパリで会合を開いたが、アル・ライ氏の言葉はそれを受けてのもの。
フランス外務省はレバノン側に対し、新大統領を選ぶ手続きを急ぎ、レバノンが国際的な支援を集めるのに必要な改革を実行するように促した。
ヒズボラに忠実な政治勢力は、立法議会を開催した上で、資本規制法案を成立させようと画策している。また、退任時期を迎えている治安トップのアッバス・イブラヒム少将の任期延長も求めている。改革派の議員46人がそうした動きに反対し、違憲だと訴えている。
一方、メルヘム・カーラフとナジャト・サリバの両議員が大統領選の膠着状態に抗議して議事堂での座り込みを始めてから5週目に入った。ナビーフ・ビッリー議長に対し、新大統領について合意が得られるまで投票セッションを続けるように要求している。
これとは別に、違法な両替行為を取り締まっている治安部隊は、アマル党員で議員のSPだったアリ・ニムール・アル・ハリール氏を逮捕した。