国連(米国):国連は16日、壊滅的な地震で被災したトルコ国民への支援として10億ドルの拠出を求めた。地震では数千人が亡くなり、数百万人が切実な支援を必要としている。
アントニオ・グテーレス事務総長は、それだけの資金があれば520万人に3か月間人道支援を行うことができる、と声明で述べている。
そして、食料安全保障や保護、教育、水、避難所などの領域で「重要な支援を迅速に拡大することができる」 としている。
さらに「膨大なニーズがある。人々は苦しんでおり、一刻の猶予もない」と続け、以下のように要請した。
「近年で最大級の自然災害に対応するため、国際社会がこの非常に重要な活動に力を入れ、資金を拠出するようお願いする」
2月6日に起きたマグニチュード7.8の地震ではトルコ南東部で3万5000人以上が死亡し、国境を越えたシリア側では数千人が死亡した。
トルコ政府によると、国内で900万人が直接的な影響を受けている。
その多くはシリア難民だ。国連のデータでは、被災したトルコの11の県で174万人のシリア人が一時的な難民として暮らしている。
トルコには「世界で最も多くの難民を受け入れ、隣国シリアの人々に多大な寛容さを示してきた」と事務総長は声明で述べている。
「今こそ世界がトルコの人々を助ける時だ。彼らは今、他の人々と連帯して支援を求めている」
別の声明において、国連のマーティン・グリフィス緊急援助調整官はトルコの人々が「言葉にならないほどの心の痛み」を負っているとし、支援を求めた。
「彼らが最も苦しんでいる時期に手を差し伸べ、必要な支援を受けられるようにしなければなりません」と、人道問題調整事務所(OCHA)の所長でもあるグリフィス氏は続ける。
OCHAは声明において「小さな子供や高齢者を含む数十万人が凍えるような気候の中、避難所や食料、水、暖房器具、医療のない状態で苦しんでいる」と述べている。
トルコ全体で4万7000棟あまりの建物が倒壊・損傷し、何千人もの人々が臨時の避難所で過ごしているという。
国連は被災地に温かい食事や食料、テント、冬服、毛布、マットレス、調理器具、医療用品などを届けている、とOCHAは続ける。
国連は14日、シリアの被災者支援として3億9700万ドル規模の支援要請を行った。
それに先立ち、中央緊急対応基金から救援活動に5000万ドルが拠出されている。
世界的な鉄鋼メーカーのアルセロールミッタルは、トルコとシリアでの被害は「非常に痛ましい」として、災害危機委員会と国境なき医師団という2つの人道組織を通じて被災者支援に500万ドルを寄付した。
AFP