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トルコ、NATO拡大とF-16購入の関連性を認めず

トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣(AFP)
トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣(AFP)
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21 Feb 2023 07:02:38 GMT9
21 Feb 2023 07:02:38 GMT9

アンカラ:アメリカのアントニー・ブリンケン国務長官は20日、スウェーデンとフィンランドの「できる限り早急な」NATO加盟承認を要求したが、トルコ外相は北欧2カ国の加盟承認とトルコによるF-16戦闘機購入には何も関連性がないとして拒否した。

トルコはテロ行為への懸念を引き合いに出し、スウェーデンとフィンランドの北欧2カ国による北大西洋条約機構への加盟を遅らせてきた。

一方で米国連邦議会は、F-16売却承認を条件に、トルコ政府によるNATO拡大に対する反対意見を撤回するよう求めている。

「自信を持って言いますが、すぐにNATOは正式に2国を迎え入れるでしょう」とブリンケン氏は、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外務大臣も同席した共同記者会見の場で述べた。「そして加盟の際には、米国とトルコを含む全加盟国の安全保障を高めるでしょう」という。

フィンランドのNATO加盟をスウェーデンの加盟よりも先に承認するつもりだというトルコの立場について、チャヴシュオール氏は再び述べた。

クルド労働者党(PKK)によるトルコ政府への39年に及ぶ反乱をスウェーデン政府は容認しているとみて、トルコはその態度に抗議を表明している。

「残念なことにPKKの支持者は依然としてスウェーデンにいます」とチャヴシュオール氏はいう。「支持者はスウェーデンで人材を募り、テロ行為に資金提供し、恐ろしい思想の喧伝を行っています…なぜならスウェーデンをNATO加盟国にしたくないからです」とのこと。

トルコの要求を満たそうとスウェーデンが憲法改正を行なったことは認めつつ、「トルコ議会と議員の説得」にはさらなる努力が必要だとチャヴシュオール氏はいう。

トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領への抗議活動を容認し、イスラム教の聖典クルアーンを燃やす反イスラム活動家による離れた場所からの単独抗議活動を中止させないスウェーデンに対しても、トルコは憤っている。

スウェーデンのウルフ・クリスターソン首相は20日、「(スウェーデンとフィンランドの)同時加盟を確信している」気持ちはそのままだと述べた。さらには「最終的には承認はトルコが決めることには変わりない」とした。

全加盟国30カ国による賛成が必須となっている、スウェーデンとフィンランドのNATO加盟承認を条件としたF-16戦闘機売却について、トルコの反対という立場をチャヴシュオール氏は明確にした。

「2カ国のNATO加盟とF-16の購入という2つの独立した問題を、それぞれ条件にすることは適切ではないしフェアではないでしょう」とチャヴシュオール氏は言った。

「そうした条件下でF-16を購入することは我々には不可能でしょう」とした。

トルコ政府は、 ロシア製防空ミサイルの購入に続いて 、次世代戦闘機F-35開発プロジェクトから引退した後のF-16艦隊をアップグレードさせるつもりだった。

F-16の取引に向けた米政府の支援を強調しつつ、ブリンケン氏は「進行中のNATOの相互運用性と米国の国益において(この取引は)非常に重要」だったと言った。

ブリンケン氏は、中国がウクライナで戦争中のロシアに対して軍事援助を検討しているとの報道についても意見を述べた。

「中国がウクライナで戦争をしているロシアに対し、武器供与と支援を検討していることを懸念しています。アメリカは極めて厳重に監視しています」と述べた。

「中国がロシアに武器を供与」したり、ロシア政府が制裁を回避できるよう「計画的な方法」で支援したりといった「悪い結末」につながる行為を、「中国がそのまま行おうと検討していることが非常に気掛かりだ」とブリンケン氏は何度も繰り返して言った。

こうした結末について説明はしなかったものの、米国だけではなく他の国々も同様の行動を起こすだろう、とブリンケン氏は加えて述べた。

ブリンケン氏は2年前に国務長官に指名されてから初めてトルコを訪れた。

このトルコ訪問は、トルコと隣国シリアが2月6日にマグニチュード7.8の地震に見舞われ、4.5万人の死者が発生してからのことだった。

ブリンケン氏は19日、アダナ近くのインジルリク空軍基地で米国とトルコの軍関係者および援助活動家と会った。

軍関係者および援助活動家は被災地にて極めて重要な援助と支援を実施するため働いている。

ジョー・バイデン米大統領が地震の数日後にトルコとシリアに対して発表した8,500万ドルの支援に追加して、ブリンケン氏はさらに1億ドルの支援をトルコとシリアに約束した。

米国政府は地震の「数時間以内に」行動を起こし、これまでに数百名の人員と支援物資を送付している、とブリンケン氏は述べた。

しかし平均的なアメリカ人もまた、被災地の「胸が張り裂けるような」映像に応えている、とブリンケン氏はいう。

「米国内の民間セクターや個人から8,000万ドル近くの寄付がありました。ワシントンにあるトルコ大使館を訪問した際、正門前の道にびっしりと箱が山積みになっていて中には入れないほどでした」とのこと。

「トルコは家をなくした人たちの支援と再建に向けた長い道のりを辿っていきます…そしてアメリカは支援を約束します」

チャヴシュオール氏は震災後の米国による支援を歓迎している。

「この困難な時期にトルコを見捨てない米国に感謝しています」と言った。

AP

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