Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • レバノン、地震と海の後退により国民がパニック

レバノン、地震と海の後退により国民がパニック

近隣国トルコを襲った大地震の後、屋外待避中の家族。2023年2月6日。ベイルート、レバノン。(AP通信 / 資料写真)
近隣国トルコを襲った大地震の後、屋外待避中の家族。2023年2月6日。ベイルート、レバノン。(AP通信 / 資料写真)
Short Url:
23 Feb 2023 04:02:28 GMT9
23 Feb 2023 04:02:28 GMT9
  • 小規模な揺れが続く中、マグニチュード3の地震が午前8時過ぎに南部の都市サイダ付近の海岸線を襲った
  • 月曜日夜には、沖合20㎞を震源とするマグニチュード3の地震が、レバノン北部を襲っていた

ナジャ・フーサリ

ベイルート:水曜日朝にレバノン南部を小規模な地震が襲い、広範囲にパニックが広がった。地域住民は自宅から裸足で逃げ出し、また、多くの人々が「子供たちの命が心配」だと語った。

小規模な揺れが続く中、マグニチュード4.3の地震が午前8時過ぎに南部の都市サイダ付近の海岸線を襲った。

トルコとシリアの広範な地域を壊滅させた2回の地震が2週間以上前にもたらした精神的動揺から未だに回復していないレバノン国民は、さらなる恐怖に慄いた。

月曜日夜には、沖合20㎞を震源とするマグニチュード6.3の地震が、レバノン北部を襲っていた。火曜日には、レバノン南部の沿岸部、サイダ付近を新たに2つの地震が襲った。

専門家らはナジーブ・ミカティ暫定首相と共に冷静な対応を呼びかけた。

しかし、レバノン国民の多くは、自宅が激しい地震に耐えきれないのではないか、政府から見殺しにされるのではないかと恐れている。

ミカティ暫定首相は、水曜日、国立地球物理学センターを訪れて、地震モニタリング装置を視察した上で、「確かなことは、科学的見地から言えば、地震や揺れの発生は予測不可能だということです」と警告した。

冷静な対応を呼びかけたミカティ暫定首相は、災害管理局が「市民を保護するのに必要なすべての手段」を講じており、いくつかの行政区域においては対応を試行の上で即応性について検証を行っていると付け加えた。

月曜日の地震後、警戒感が高まる中、ベイルート・アメリカン大学の地震研究者のトニー・ネマー氏は、レバノンが地震帯の中に位置していることを国民は受け入れる必要があると述べた。

「それでも、レバノン人は冷静でいなければなりません」と、ネマー氏は付け加えた。

レバノン赤十字社の代表者であるジョージ・ケタネー氏は、数件の不安発作とパニック発作に対応したと述べた。

ベイルートのアパートの13階に住む50歳のゼイナ氏は、「大規模な地震が起きたら、家族も私も逃げられないでしょう。私たちはここに残ることを決めました。とはいえ、私たち家族が、精神的に打ちのめされ、ストレスにもう耐えられなくなっていることは明らかです」と、語った。

ゼイナ氏一家の2階下に住む31歳のガーダ氏は、「建物が揺れる音に恐怖を覚えました。私の夫は退避することを拒みました。

夫は外に出ても意味がないと考えているのです。月曜日の地震の間、私は冷静であるように努めながら、ソファに座っていました。有難いことに私は火曜日の揺れは感じませんでした。

しかし、何がいつ起こるかは神のみぞ知るです。私たちは心に傷を受けながら生きているのです」と、話した。

35歳のエザット氏は、「子供たちの無事が心配でたまりませんでした。私は家族を自動車に乗せ、周りの何百人の人たちと同じように走り出しました。レバノンでは、建物に耐震性が有るのかどうか、脱法建築ではないのか、確かなことは分からないのです」と、語った。

「ベイルート港爆発事故を生き延びてから2年以上経ち、今度は毎日起こる地震に耐えなければなりません。私は新築の建物に住んでいますが、これほど多くの地震に耐えられる建物なのかどうかは誰にも分かりません」

都市サイダ付近の海面の低下を示す写真に数多くのレバノン人が不安を抱いている。この現象と今回の地震を関連付ける人々もいる。

国立海洋科学センターのミラド・ファール所長は、「これは潮の満ち引きに関連した自然現象で、年間を通して発生しています。この地域の地震や揺れとの関連は全く無く、また、津波が起こり得るという初期兆候でもありません」と述べた。

特に人気
オススメ

return to top