• 極右政治家が発表した14項目の声明には、「すべての民生（入植）事項に関する法律は、イスラエル法に沿ったものになる」という言明が含まれていた。
• 「パレスチナ国家イニシアチブ」のムスタファ・バルグーティ事務局長は、アラブニュースに対し、イスラエルは「ヨルダン川西岸を併合し、入植者にパレスチナ人に対して好き放題させようとしている」と述べた。

モハメド・ナジブ

ラマッラー：イスラエルの極右閣僚が、占領下のヨルダン川西岸にあるユダヤ人入植地の政治責任を正式に担ったことで、パレスチナ人は懸念と怒りを表明している。同相はこれを利用して、入植者の法的地位をイスラエル国内のコミュニティと一致させるつもりだと述べている。

ベザレル・スモトリッチ財務相は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相との連立協定の一環として、入植者に関連する事項に関して国防省を監督する役割を与えられた。

スモトリッチ氏がヨアブ・ギャラント国防相との責任分担に合意した後に発表した14項目の声明には、「すべての民生（入植）事項に関する法律は、イスラエル法に沿ったものになる」という言明が含まれていた。

この合意は、スモトリッチ氏が入植地の拡大、前哨基地の合法化、パレスチナ人の家の取り壊しを行う権限を持つことを意味する。

パレスチナのマフムード・アッバース大統領の報道官、ナビル・アブ・ルデイネ氏は、次のように述べた。「すべての入植地は違法であり、イスラエルによるこれらの入植地の合法化や併合の試みは認められず、国際決議に違反するものである」

パレスチナの政党「パレスチナ国家イニシアチブ」のムスタファ・バルグーティ事務局長は、アラブニュースにこう語った。「スモトリッチ氏をこの地位に任命し、このような権限を与えることは、イスラエルがヨルダン川西岸を併合し、パレスチナ人に対して入植者に好き放題させることを意味します」

バルグーティ氏によると、スモトリッチ氏ともう一人の右翼過激派政治家であるイタマル・ベングビール国家安全保障相が、民政、国内治安、入植資金、アルアクサ・モスクの管理、国境警備、イスラエルの刑務所など、パレスチナ人の生命と財産に影響を及ぼすすべての政治機構に責任を持つようになったという。

「これはパレスチナ人に対する宣戦布告を意味します」と同氏は付け加えた。

パレスチナの人権団体Al-Haqの理事長、シャワン・ジャバリン氏はアラブにこう語った。「我々はいつもイスラエルがヨルダン川西岸を併合しようとしていると言ってきましたが、ついにこの併合の公式発表の時が来たのです」

ヨルダン川西岸には65万人以上のユダヤ人入植者が住んでおり、2030年までに100万人に増やす計画もあるという。スモトリッチ氏自身も、カルキリヤの東にあるケドゥミム入植地に家を所有している。イスラエルの入植地は、ヨルダン川西岸の約60％を占めるC地区に集中している。

パレスチナ人は、入植者がしばしば自分たちの土地、家畜の放牧地、水資源を力づくで奪うため、入植地を存続の脅威と考えている。ヨルダン川西岸の縦横に広がる入植地は、地理的に連続した独立国家を求めるパレスチナ人の56年にわたる夢を損なうものでもある。

パレスチナの政治筋がアラブニュースに語ったところによると、スモトリッチ氏の就任で勢いづいたイスラエルの入植者は、ヨルダン川西岸地区のパレスチナ人とその財産への攻撃をエスカレートさせているという。

22日、イスラエル高等計画評議会は、ベツレヘムの南にあるグーシュ・エツヨン入植地ブロックに1,000戸の住宅を建設することを承認した。24日、入植者はベツレヘムの南、アル・ハディルでオリーブの苗木70本を根こそぎにした。彼らはまた、農業インフラを破壊し、果樹も根こそぎにした。

同じく24日、ラマッラー東部のラモン村で、入植者によるテロ行為に抗議していたパレスチナ人が、イスラエル軍に襲撃された。パレスチナ人1人がゴム弾で負傷した。

同日、入植者たちは、ヨルダン渓谷北部のキルベット・アル・ファリシーヤの東側の地域で、パレスチナ人の羊飼いを追い払った。人権活動家のアレフ・ダラグメ氏によると、入植者は毎日のように羊飼いを攻撃し、家畜を農地に放し、大きな損害と損失を与えているという。