
カブール:タリバンの部隊は、アフガニスタンの首都の外交使節団に対する攻撃を計画したとされるダーイシュの最高司令官を殺害したと、政府当局者が述べた。
アフガニスタンにおける暴力は、2021年8月にタリバンが政権を掌握した後、劇的に減少した。
しかしこの1年で、ダーイシュの地域支部が犯行を主張する大勢の死傷者を出す攻撃が相次ぎ、治安は悪化している。
タリバンの部隊は26日夜の作戦中に、ダーイシュの地域「情報・作戦責任者」であるカリ・ファテフ氏を殺害したと、タリバン政府のザビフラ・ムジャヒド報道官が27日の声明で発表した。
ファテフ氏は「外交使節団、モスク、その他の標的を含む、カブールでの最近の作戦を直接首謀した」と、ムジャヒド氏は述べた。
声明によると、カブールのカー・カーナ地区を拠点とする組織に対する作戦で、他に1人のダーイッシュのメンバーが殺害されたという。
この地域の住民は、26日の夜に大きな銃声を聞いたと報告していた。
タリバンの当局者は、瓦礫の中に横たわる2人の遺体の映像をツイッターに投稿した。
2022年7月の国連安全保障理事会の報告書は、ファテフ氏を、インド、イラン、中央アジアにわたる地域での軍事作戦を担当するダーイシュの主要指導者だと表現した。
ダーイシュは、タリバンの支配に対する最大の安全保障上の挑戦者として登場し、外国人、宗教マイノリティ、政府機関への攻撃を仕掛けている。
両グループとも厳格なスンニ派イスラム教のイデオロギーを共有しているが、ダーイシュは世界的な「カリフ国」を確立するために戦っており、一方のタリバンは独立したアフガニスタンを統治するという、より内向きの目標を掲げている。
ダーイシュは、5人の中国人を負傷させた12月のカブールのホテルでの銃乱射事件の犯行声明を出している。
また、12月には、同グループはカブールのパキスタン大使館を攻撃した。パキスタン政府はこれを同国大使に対する「暗殺未遂」と表現した。
さらに1月には、同組織は、少なくとも10人が死亡したカブールの外務省の近くでの自爆テロの犯行声明を出した。
昨年9月には、ロシア大使館の職員2人が大使館の外での自爆テロで死亡し、これもダーイシュが犯行声明を出した。
タリバンは、51人の女性と少女を含む54人が死亡した2022年9月のカブールでの自爆攻撃は、同グループによるものだとしている。
AFP通信