
エルサレム:大規模な抗議運動を無視して司法制度を改革する広範な計画を推進する中、イスラエル議会は13日に汚職容疑によるベンヤミン・ネタニヤフ首相の解任を困難にする法案を成立に向けて進めた。
クネセト(国会)議員らは深夜の投票で法案に仮承認を与えた。この法案は、身体的もしくは精神的理由によってのみ首相を統治に不適格と宣言することを議会に認めるもの。
その後、クネセトが最高裁判所の決定をくつがえし、棄却された法律を成立させることを可能にする法案について投票が行われると見込まれた。両法案とも法律制定前にさらなる投票が必要となる。
今回の動きは、ネタニヤフ氏の連立政権によるイスラエルの司法制度改革に向けた一連の動きのうち最新のもの。首相と同盟者らは、活動的な裁判所を抑制することが目的だとしている。
批評家たちは、この動きはイスラエルの民主主義的チェック機構とバランスを破壊し、ネタニヤフ氏と同氏が率いる議会多数派に権力を集約するものだとしている。
ネタニヤフ氏と超国家主義的、宗教的連立同盟は、過去2か月にわたって何万人ものイスラエル国民が抗議運動を行っているにもかかわらず、司法改革を進めることを誓っている。
実業界の指導者、法律専門家、元軍隊指導者が抗議運動に加わり、イスラエル予備兵は改革が断行されれば任務を放棄すると脅している。
クネセトは深夜の投票により、ネタニヤフ氏を退任要求から守る法案を成立に向けて進めた。この法案は、他の状況下でも首相の追放が可能な現行法に代わるもの。
新たな法案のもとでは、議会の4分の3の承認が必要となる上、首相が無効とすることができる。
この法案は、4年以内のうちに5回目となった選挙の末、昨年末に権力の座へ帰り咲いたネタニヤフ氏にとって個人的な重要性を持つ。
同氏は詐欺、背任、収賄の容疑で裁判中だが、容疑を否認している。この訴訟は3年近くも続いている。
善政団体やその他の批評家らは、イスラエル司法長官にネタニヤフ氏を不適格と判断するよう求めている。
13日に自身が率いるリクード党のメンバーらに向けて語ったネタニヤフ氏は、自身に対する「終わることのないフェイクニュースの津波」を放送しているとしてイスラエルのメディアを激しく批判した。
また、司法改革はイスラエルの民主主義をより強化するという自身の主張を繰り返した。
反対派の議員オルナ・バルビバイ氏は、法案は「首相が法より上だとする、恥ずべきもの」だと述べた。
人口の20%ほどを占めるイスラエルの少数派パレスチナ人は、抗議運動にほとんど参加していない。
その理由の一部に、イスラエルで受けている差別と、ヨルダン川西岸地区およびガザ地区におけるパレスチナ人の同胞に対するイスラエルの対応がある。
AP