• エルドアン大統領とエルシーシ大統領の会談が行われる見通し
• 両国は近年リビアをめぐって対立している

モハメド・アル・シャマア

カイロ：エジプトとトルコは18日、関係改善に向けまた新たな一歩を踏み出した。10年前に関係が決裂して以来初めてトルコの外相がカイロを訪問し、エジプトの外相と会談したのだ。

エジプトのサーミフ・シュクリー外相は、トルコのメヴリュット・チャヴシュオール外相との共同記者会見で、会談は「率直で深く、透明性の高い」ものだったと述べた。

チャヴシュオール外相は次のように述べた。「エジプトとの関係正常化に向けた具体的な取り組みを進めることができて非常に嬉しく思う（…）今後再び関係が決裂することのないように最善を尽くす」

「両国の大統領がドーハで面会して以来、完全な関係正常化に向けた道を進み始める政治的意志と指示が存在している」

これは、エジプトのアブドゥルファッターハ・エルシーシ大統領とトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領がカタールワールドカップの会場で短時間面会し握手を交わした時のことを言っている。

今回のチャヴシュオール外相によるエジプト訪問に先立つ先月、トルコと隣国シリアで数万人の死者を出した大地震の発生を受け、シュクリー外相は連帯を示すためにトルコを訪れていた。

チャヴシュオール外相は、「今後両国が意見を異にすることはあり得るが、再び関係を壊すことを避けるべく最大限努める」と述べた。

トルコの同盟者だったエジプトのムハンマド・ムルシー大統領（当時）が2013年に追放された後、両国の関係はこじれた。

チャヴシュオール外相は、エルドアン大統領とエルシーシ大統領の会談は「トルコの選挙が終わってから」行われるとした。大統領選挙は5月14日に予定されている。

外交専門家のマムドゥー・アル・サギール氏はアラブニュースに対し次のように語る。「トルコの外相による今回の訪問は、先月トルコを襲った大地震の後にエジプトが提供してくれた支援に対するトルコからのお返しだ。この悲劇の後にはエルシーシ大統領もエルドアン大統領に電話をかけた」

「チャヴシュオール外相は昨年11月、トルコは今後数ヶ月のうちに駐エジプト大使を再び任命する可能性があると発表し、両国の関係正常化に向けたさらなる動きを示唆した」

アラブ政治の専門家であるアフメド・カマル氏は次のように語る。「シュクリー外相とチャヴシュオール外相の会談は、二国間関係がこれまでよりずっと強くなるとの見通しを裏付けている」

「トルコがムスリム同胞団の指導者らを支援していることは、両国間における扱いにくい問題の一つだった。しかし、トルコが同胞団の組織・運動能力を削いだことで事態は落ち着いており、両国は以前よりも良好な関係を修復できる可能性がある」

「また、特にイラン・サウジ関係の雪解け後の今、両国が地域における新たな同盟や（それがもたらし得る）中東における重要な影響について話し合うことにも期待している」

「トルコが多くのテロ組織を支援していたのは過去のこととなっている。緊張が高まっていた時期も中断していなかったエジプトとトルコの貿易関係は、これからさらに大規模かつ実りの多いものになり得る」

国際経済を専門とする著述家のアベール・ハムディ氏はアラブニュースに対し次のように語る。「トルコとエジプトの政治的協力も重要だが、貿易協力の方がはるかに重要だ」

「トルコはエジプトの優れた商品の多くをありがたく享受している。逆もそうだ。特に両国の関係が落ち着いている今、経済的進展の見通しが高まっている。指導者らが密室で話し合うのはそのようなこと、特に東地中海地域における天然ガス探査に関連した問題だろう」

「今回の関係回復は、エジプトのトルコとの貿易関係拡大を促すだろう。両国間の貿易規模は過去15年間で2倍以上になっている」

暫定的な和解の一環として、トルコは同国内で活動するエジプト反体制派テレビ局に対し、エジプトに対する批判を和らげるよう要請した。

エジプトのシュクリー外相は先月、トルコとシリアで5万人以上の死者を出した大地震の発生を受け、連帯を示すためにトルコを訪問した。

深刻な外貨不足への対処に苦労しているエジプト政府は先月、いくつかのトルコ企業がエジプトにおいて新たに5億ドルの投資を行うことを約束したと発表した。