チュニス:チュニジア当局によると、イタリアへ向かう移民船が急増する中、2023年3月24日金曜、チュニジア沖で2日間に5度の沈没事故が発生し、アフリカからの移民少なくとも34人が行方不明となった。これにより行方不明者の総数は67人となっている。
2023年3月23日木曜、チュニジアから海峡を渡ろうとした移民、少なくとも5人が死亡、33人が行方不明となる事故が発生した数時間後、イタリア沿岸警備隊は、イタリア南部の海岸で2度の救出活動を行い、合計で約750人の移民を救助していたことを公表した。
チュニジアのファウジ・マスムーディ判事は、スファックス沖で起きたボート転覆事故で、乳幼児を含む7人が死亡したと発表した。
国家警備隊のフセム・ ジャバブリ氏によると、沿岸警備隊は2日間で、イタリアに向かう56隻のボートを止め、主にサハラ以南のアフリカ諸国からの移民3000人以上を拘束したという。
国連のデータによると、イタリアに流入した移民のうち、チュニジアから出航した移民は2022年の同時期が1300人だったのに対し、今年は少なくとも1万2000人にも及んでいる。以前は、アフリカからの移民の主な出港地はリビアであった。
スファックスの海岸線は、アフリカや中東の貧困や紛争から逃れ、欧州でのより良い生活を求める人々の主要な出港地になっている。
チュニジアは、デフォルトに陥ることが懸念される中、国際通貨基金(IMF)との交渉は停滞し、最悪の財政危機に直面しており、欧州、特に隣国のイタリアで懸念が高まっている。
チュニジアは、2021年7月にカイス・サイード大統領がほとんどの権限を掌握し議会を閉鎖、政令による統治に移行して以来、政変に見舞われている。
イタリアのジョルジャ・メローニ首相は2023年3月24日金曜、チュニジアの財政安定が守られなければ、欧州は北アフリカからの移民の大量流入に見舞われる危険があると述べた。メローニ首相は、IMFと諸外国に対し、チュニジアの崩壊を避けるため、迅速な支援を呼びかけた。同氏は「これらの問題に適切に対処しなければ、前例のない移民の波が押し寄せてくる危険性がある」と述べた。
ロイター