チュニス:チュニジアの沿岸警備隊は日曜日、3隻の船が転覆し、サハラ以南のアフリカ諸国からの移民29人の遺体が回収されたと発表した。過去にも同様の悲惨な事故が何度も起こっている。
隣接するヨーロッパの海岸を目指す移民にとっての要所となるチュニジアでは、一連の船の転覆事故により、数十人の移民が死亡し、複数の行方不明者が出ている。
事件に先立ち、先月、カイス・サイード大統領が、サハラ以南のアフリカ人は人口構造の変化をもたらす脅威であり、チュニジアに犯罪の波をもたらしていると非難する、扇動的な演説を行っていた。
沿岸警備隊は日曜日の声明で、中部東海岸沖で「ボートが沈没したアフリカの様々の国の不法移民11人を救助した」と述べ、3件の別々の沈没事故を挙げた。
そのうちの1件では、チュニジアのトロール船が転覆し、その後沖合58キロ(36マイル)の地点で19人の遺体が回収された。
また、沿岸の都市マヒディヤ沖の沿岸警備隊は、イタリアに向かう船が沈没した後、8人の遺体を回収し、11人の移民を「救助」した。
一方、スファックスのトロール船は、他に2人の遺体を回収した。
サイード大統領の演説以降、同国の黒人移民は、急増する暴力事件に直面し、数百人が数週間にわたり、日に日に悪化する状況の中で路上生活を送っている。
スーダンのダルフール地方や西アフリカなどの地域における貧困や暴力から逃れた人々は、何年も前からチュニジアを経由して、安全でより良い生活を送るためにヨーロッパを目指すという危険な試みを繰り返してきた。
イタリアのランペドゥーザ島はチュニジアの海岸からわずか150キロ(90マイル)のところにあり、国連が世界で最も危険なルートと評する地中海中部のルートの一部となっている。
ローマはチュニジア当局に人の流れを抑えるよう圧力をかけ、沿岸警備隊の強化を支援してきたが、人権団体は警備隊による暴力を告発している。
AFP