• 国家元首からの警告は、分断のもとになる提案への警戒を強調している
• イツハク・ヘルツォグ大統領の要請は、イスラエル全土の都市で生じた一夜にわたる抗議行動を受けたものだ

エルサレム：イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領は、ベンヤミン・ネタニヤフ首相が司法改革案に反対した国防相を更迭し、大規模な街頭抗議デモが生じた翌日の28日、激しく対立する司法改革を中止するよう政府に要請した。

「イスラエル国民の団結のために、責任のために、立法手続きを直ちに停止するよう求めます」とヘルツォグ大統領はツイッターで述べた。

政治から距離を置き、儀式的な役割を担うはずの国家元首からの警告は、司法改革案によってもたらされた分裂への警戒を強調するものだった。ネタニヤフ首相がヨアフ・ガラント国防相を更迭したと発表した後、イスラエル全土の都市で数万人が街頭に繰り出して抗議する劇的な一夜が続いた。

その前日、ガラント国防相はテレビで、司法改革案がイスラエル社会にもたらした深刻な分裂が軍に影響を及ぼし、イスラエルの安全保障を脅かしているとして、主要な司法改革を中止するよう政権に求めていた。

イスラエル史上最も右寄りと言われる政権の発足から3か月後、占領下のヨルダン川西岸地区における安全保障上の緊急事態が深刻化する中、ガラント国防相の更迭により、ネタニヤフ首相の国民・宗教連合は危機に陥っている。

最高裁判事の任命を行政府が管理し、議会の単純過半数に基づいて政権が最高裁の判断を覆すことができるという司法改革案は、数週間にわたって大規模な抗議活動を引き起こしてきた。

政府は、司法改革は活動家の裁判官を抑制し、選挙で選ばれた政府と裁判官の間の適切なバランスを取るために必要だとしているが、反対派は法的な抑制と均衡を損ない、イスラエルの民主主義を脅かすものだとみている。

ネタニヤフ首相は、自身が否認する汚職容疑で裁判にかけられているが、今のところ司法改革計画を継続すると明言しており、司法改革案の中心部分である司法人事に対する政治的統制を強化する法案は、今週中に議会で批准される予定である。

ネタニヤフ首相は後ほど28日に声明を発表する予定である。

司法改革計画は経済界の反発を招くだけでなく、イスラエルの同盟国の間でも警戒されている。米国は、27日の出来事を深く憂慮しており、早急な譲歩が必要だと考えていると述べ、民主主義の価値を守るよう繰り返し呼びかけた。

ロイター