
ラマッラー:イスラエルは、ガザ地区の住民200万人がネゲブ砂漠にあるラモン国際空港を利用できるようにすることを検討している。この空港は、4月1日からヨルダン川西岸地区のパレスチナ人に正式に開放される予定である。
イスラエルの情報筋がアラブニュースに語ったところによると、米国は3月19日にエジプトのシャルム・エル・シェイクで開催された首脳会談で、紅海のリゾート地エイラットの近くにある同空港の利用をパレスチナ人に許可するようイスラエルに圧力をかけた。
月曜日と木曜日の週2便の同空港からのフライトは、トルコの各地へ運航される予定で、利用はヨルダン川西岸地区の家族に限定される。パレスチナのパスポートを持つ40歳以上の男性は、空港の通過を許可される。
ラファの陸路国境を越え、シナイ砂漠を4時間かけて、外界との唯一の接点であるカイロ空港まで運転しなければならないガザの人々にとって、合意されれば大きな恩恵となる。
イスラエル公安庁には、ガザ住民のラモン国際空港の通過を可能にする公式要請が提出されており、匿名のイスラエルの高官筋はアラブニュースに、治安機関が同意するのはほぼ間違いないと語った。
イスラエルは2001年12月、ガザ国際空港を爆撃し破壊した。
匿名のガザのパレスチナ人政治家は、アラブニュースに対し、住民は旅行問題に対して「あらゆる解決策を必要としている」と述べた。
「オスロ合意によれば、パレスチナ人は希望するイスラエルの空港や検問所を通ることができるはずだ」と同氏は述べた。
ガザ出身の政治アナリスト、ジャマル・ザクート氏はアラブニュースに対し、「ガザ地区の封鎖を完全に解除し、検問所や空港での移動、生活、そして将来にわたる住民の利益を守る単一の機関を設立する時が来た」と語った。
イスラエルは昨年8月、ラモン国際空港をヨルダン川西岸からのパレスチナ人旅行者に開放したが、3カ月後のイスラエル選挙直前にヨルダンから圧力を受け、撤回した。
当局者は、ヨルダン川西岸のパレスチナ人をイスタンブールとアンタルヤに運送した2便を「歴史的で前例のない、夢の実現」と表現した。
ヨルダンは、ヨルダン川西岸のパレスチナ人がアンマン近郊のクィーンアリア国際空港を利用しなくなり、大きな経済的損失を被ることを懸念して、ラモン国際空港の開設に反対した。
パレスチナの情報筋によると、トルコのペガサス航空は、ヨルダン当局から、ラモン国際空港からの運航を継続する場合、同社の航空機はヨルダンで歓迎されないと言われ、ラモンからのフライトを停止した。
ペガサス航空が去った後の空白を埋めるために、他の航空会社が招聘されたと見られている。
前回のシャルム・エル・シェイクでの首脳会談で、米国はラモン国際空港やヨルダン川に架かるアレンビー橋などの旅行施設を、4月からパレスチナ人が利用できるようにするよう求めた。
ヨルダン当局は、入国するパレスチナ人から年間最大1400万ドルを徴収しているが、ラモン国際空港を大勢が利用するようになれば、そのかなりの部分を失うことになる。
ヨルダンは以前、同空港の設置は自国の領空と国際法の侵害に当たると述べた。2019年、ヨルダンは国際民間航空機関に公式な苦情を提出した。
イスラエルは2019年、エルサレムから340kmに位置し、ベン・グリオン国際空港に次いで国内第2位の規模の同空港を5億ドルの費用で開設した。
ヨルダン川西岸に空港がないため、ヨルダンのクィーンアリア空港は、マフムード・アッバース大統領を含むパレスチナ人にとって、世界への主要なゲートウェイであり続けている。
しかし、パレスチナ自治政府は、パレスチナ人がラモン国際空港を利用することについて、「主権の問題であり、協議が行われていない」と拒否している。
一方、イスラエルは29日、ラマダン期間中にガザ地区の住民数十人がエルサレムのアル・アクサ・モスクで礼拝することを許可したが、これは2016年に礼拝許可が停止されて以来初めてのことだった。
参拝者はバスでエレズ検問所を経由してエルサレムに移動し、その日のうちにガザに戻った。