サヌア:内戦で荒廃したイエメンで、慈善金の配布がきっかけで発生し過去10年で最大級の被害を出した群衆事故から一夜明けた20日、この事故で80人以上が死亡し数百人が負傷したとフーシ派関係者が明らかにした。
アラビア半島で最も貧しいこの国を悲劇が襲ったのは、イスラム教の聖なる月ラマダンの終わりを祝う祝日イード・アル・フィトルの直前だった。
フーシ派の治安関係者によると、首都サヌアのバブ・アル・イエメン地区で発生したこの群集事故で少なくとも「85人が死亡、322人以上が負傷した」という。
この関係者(記者に話す権限を与えられていないという理由で匿名を希望)はAFPに対し、「亡くなった人々の中には女性や子供もいた」と語った。
別の保健当局者がこの死者数を裏付けた。
フーシ派支配下のサヌアに駐在しているAFP特派員によると、今回の事故は学校の中で支援金が配布されていた際に発生した。
目撃者によると、支援金を受け取ろうと数百人が集まっていたという。
フーシ派のサバ通信が伝えたところでは、内務省は声明の中で、死傷者が近くの病院に搬送され、支援金配布に関与した者らが拘束されたことを明らかにした。
同省は正確な死者数を明らかにしなかったが、「何人かの商人が無作為にお金を配った時に群集事故が発生し数十人が死亡した」と述べた。
フーシ派の政治指導者であるマフディ・アル・マシャト氏は、調査委員会が設置されたことを明らかにした。
フーシ派の治安関係者は、事故に関与した疑いで3人が拘束されたと述べた。
ソーシャルメディア上に出回っている動画には、大きな施設の床に複数の遺体が横たわり、その周りで人々が騒然としている様子が映っている。
AFPはこの動画の真偽を独自に検証できなかった。
治安部隊が多数配備された病院には犠牲者の家族らが殺到したが、高官らが死傷者の見舞いに来ていたため、多くの人は病院内に入ることを許されなかった。
サヌア駐在のAFP特派員によると、病院の1つの入口に大勢の群衆が押し寄せたという。
この特派員によると、事故現場の学校周辺にも治安部隊が多数配備された。彼らは、愛する人を見つけるために現場に立ち入ろうとした親族らを遮ったという。
AFP