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NATO事務総長:ウクライナはNATO加盟の権利がある

会談するNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長(左)とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領。2023年4月20日(AFP)
会談するNATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長(左)とウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領。2023年4月20日(AFP)
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21 Apr 2023 05:04:19 GMT9
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  • ゼレンスキー氏は7月にリトアニアのビリニュスで開催されるNATO首脳会議への招待に謝意を表したが、ウクライナが必要とするものは加盟への具体的なロードマップだと述べた

キーウ(ウクライナ):約1年前のロシアによる侵攻開始以来、初めてキーウを訪問している北大西洋条約機構(NATO)のイェンス・ストルテンベルグ事務総長は4月20日、ウクライナはNATOに加盟する権利があると明言し、さらなる支援を約束した。

ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領はNATO加盟国の対ウクライナ支援を取りまとめてきたストルテンベルグ氏に対し、戦闘機、迫撃砲、装備品の提供を含む一層の支援を求めた。

ロシア政府はこれまで、ウクライナでの戦争を様々な仕方で正当化してきたが、20日もウクライナのNATO加盟を阻止することが依然として侵攻の主な目的の1つだと繰り返し、加盟が実現すればロシアにとっては国家存続に関わる脅威であるとした。

2008年、NATOの高官はウクライナの将来的加盟の可能性に言及しており、ストルテンベルグ氏も侵攻開始以来、この約束を繰り返してきた。だが、ウクライナの加盟に向けた具体的手続きやスケジュールは未定である。

「はっきり申し上げましょう。ウクライナは権利上、NATOの一員です」とストルテンベルグ氏は記者会見で述べた。「ウクライナは、NATOに加わるべきなのです」

ゼレンスキー氏は7月にリトアニアのビリニュスで開催されるNATO首脳会議への招待に謝意を表したが、ウクライナが必要とするものは加盟への具体的なロードマップだと述べた。

「(NATOの)指導者たちがウクライナの加盟の見通しについて明確にし、加盟に向けてウクライナが踏むべき手続きを定め、この間、すなわち加盟までの期間の我が国の安保上の保証を定める時がきました」とゼレンスキー氏は表明した。

ストルテンベルグ氏は、ゼレンスキー氏とNATOによるウクライナ支援プログラムについて協議したと述べた。

「このプログラムにより、ウクライナはソビエト時代の装備と政策を脱してNATOの基準に合わせることができ、他の加盟国との完全な相互運用性が保証されます」とストルテンベルグ氏は説明した。「NATOは今日、ウクライナとともにあります。明日も、そして必要な限りずっとその先もです」

ストルテンベルグ氏は、デンマークとオランダが20日、ウクライナに少なくともさらに14台の修理済戦闘戦車「レオパルト2」を2024年初頭までに提供すると表明したことに触れた。

事務総長はさらに、21日にドイツで開かれるNATOの会合で、各国が「具体的な対ウクライナ軍事支援を新たに表明」することに期待を寄せた。

20日遅く、ロシアの都市ベルゴロドでは大きな爆発が起きた。防衛省によると、ロシア軍のスホイ34戦闘機が誤ってウクライナとの国境から約25キロの上空で爆弾を投下した。ロシア政府はそれ以上の詳細を明かしていない。

ベルゴロド州のヴャチェスラフ・グラドコフ知事によると、爆発により少なくとも2人が負傷し、家屋に損害が出た上、地面に直径約20メートルの穴が開いた。

ここ数か月間、ロシア・ウクライナいずれも戦線を進めることができず、戦闘は消耗戦の様相を呈している。だが、ウクライナは西側諸国から供与された最新兵器によって、今後数週間で攻勢をかけると見られている。

ロシアのウラジミール・プーチン大統領は、ウクライナがロシアの占領下にある地域の奪還を試みて自国の領土が攻撃を受ければロシア政府は「利用可能なすべての手段を用いる」と警告を発しており、これは核兵器を使用するという威嚇だと見る向きもある。

NATO軍は公式にはウクライナに駐在しておらず、ウクライナ政府に対して非軍事的援助(直接殺傷に関わらない装備の提供など)のみを行っているが、ストルテンベルグ氏は侵攻当初から、ウクライナとの連帯を表明している。

過去1年間、世界の首脳が次々にキーウを訪問しており、かつてノルウェー首相を務めたストルテンベルグ氏は西側諸国の高官としてはその中で最後の訪問となった。

ソ連に対抗する目的で設立されたNATOは、核兵器を所有するロシアとの戦争に巻き込まれることを恐れてきた。だが、ヘルメットや制服といった備品をためらいがちに供給していた西側諸国が戦車や戦闘機、先進的ミサイルシステムの提供に踏み切るにつれ、NATO高官の訪問も日常的に行われるようになった。

ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は20日、ロシア政府が「特別軍事作戦」と呼んでいる戦争の目標の1つは依然としてウクライナのNATO加盟を阻止することだと述べた。報道関係者との電話会談で、ペスコフ氏はウクライナの加盟は「我が国とその安全にとって深刻で重大な脅威をもたらす」と発言した。

今月、フィンランドが数十年間保ってきた中立的立場を放棄してNATOに加盟し、冷戦後のヨーロッパの安全保障上の構図は歴史的転換を迎えた。NATOはロシアに脅威を与える意図はないと表明しているものの、フィンランドの加盟はプーチン政権にとって大きな政治的打撃となった。

フィンランドの加盟により、ロシアが世界最大の安全保障同盟であるNATOと接する国境線は2倍になった。隣国スウェーデンもアメリカのジョー・バイデン大統領とNATO加盟国首脳がビリニュスで集まる7月までに加盟する可能性がある。

NATOはこれまでのところ、ロシアによる攻撃を避けるため、加盟国領土内の防衛力強化に専念してきた。NATOの安全保障上の協約の下では、1つの加盟国への攻撃は、NATO全体への攻撃と見なされる。

21日、ストルテンベルグ氏はアメリカのロイド・オースティン国防長官とともにドイツのラムシュタイン空軍基地で開かれるウクライナ防衛に関する交渉グループの会合に出席する。グループは対ウクライナ軍事支援を拡大することを目的とした主要な国際協力の枠組みである。

一方、ウクライナ宇宙局は20日、前夜に上空で観測された強い閃光は大気圏に突入した隕石の可能性が高いと発表した。首都キーウとベラルーシの複数の都市で、住民がこの閃光を目撃している。光は数秒間続き、キーウ周辺では爆発音も聞かれたため、キーウでは空襲警報が出された。

AP

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