学生連盟の指導者アフィフ・アル・バラシ氏はアラブニュースに対し、緊急委員会は今後数日間にサウジの船舶で3000人のイエメン人を退避させる計画だと語った
アル・ムッカラー:スーダンからサウジアラビア海軍の船舶で退避したイエメン人150人余りが25日、サウジのジェッダに到着した。イエメン政府はスーダンに取り残された数千人のイエメン人の退避に向けた緊急計画をスタートさせている。
退避者の第1団は25日朝、サウジの船に乗り、紅海に面した都市ポートスーダンからサウジに向けて出港した。スーダンでは在留イエメン人数百人が、首都ハルツームから安全を求めて退避しているという。
退避を指揮したのは駐スーダンのイエメン大使館のスタッフとスーダン在住のイエメン人コミュニティからなる緊急委員会だ。この中にはイエメン学生連盟のメンバーも含まれる。
学生連盟の指導者アフィフ・アル・バラシ氏はアラブニュースに対し、緊急委員会は今後数日間に3000人のイエメン人をサウジの船舶で退避させる計画だと語った。
退避する人々は、ポートスーダンからジェッダ経由でイエメンに帰国する予定だという。
イエメンからはこの10年ほどで数多くの人々がスーダンに移り住んだ。留学や病気の治療目的で滞在する人々もいる。
アル・バラシ氏によれば、衝突が続くハルツームから脱出するのに苦労している人々もいる。バス料金の高騰も退避計画の足かせになっている。
「バス料金は法外な金額になっている。50人乗りのバス(の料金)が1万6000ドルもする。銀行が休業中でスーダンへの送金は難しくなっているし、ポートスーダンにはきちんとした滞在場所もない」
イエメン外務省によれば、過去48時間で少なくとも400人のイエメン人が「安全に」ハルツームを脱出。ハルツームの南東にある都市マダニに向かい、そこからポートスーダンに運ばれた人々も250人いるという。
イエメン政府はスーダンに在留する国民を「できるだけ早期に」退避させる計画について、サウジ当局と接触しているとイエメン外務省は明らかにした。
またイエメン外務省はスーダンに在留する国民に対し、居場所を緊急委員会に知らせるとともに、その指示に従うよう呼びかけた。
ソーシャルメディアでは、荷物を抱えたイエメン人たちがトラックに乗り込み、ハルツームを去る様子を捉えた画像が投稿された。
ハルツームでの惨状を語る人も多い。街中で衝突が起きたために、何日間も家から外に出られなかった人もいるという。
スーダンの大学で研究を行っているイエメン人学者のナサル・ムハンマド氏はアラブニュースに対し、イエメン人達は停戦の間に着の身着のままで住んでいた家を去っていったと語った。
「非常に厳しい状況だ。戦闘は弱まったが終わってはいない。イエメン人達は家も持ち物も置いて退避した。多くの家は今もカギがかかっていない」と彼は述べた。
また彼は、知り合いのイエメン人学生5人が6日間も食べるものなしに過ごすはめになったと語った。銀行から預金を引き出すことができなかったせいだという。