• これまでに戦闘により数百人が死亡
• 外国主導の陸路、海路、空路による避難で、数千人が出国

ハルツーム：スーダンの将軍同士の戦いは民間人にますます深刻な被害を与えており、この1週間で住居を追われた人々の数は倍増したと、国連が9日に発表した。

現在までに数百人が死亡している。同国南部で別の民族紛争により少なくとも16人が命を落とし、今までのところ紛争の被害を受けていない東部の有力なグループが軍を支持するデモを行う中で、新たな懸念が浮上している。

国際移住機関（IOM）によると、4月15日からの戦闘により、現在70万人以上が国内避難民となっているという。

「先週火曜（2日）には、34万人だった」と、IOMのポール・ディロン広報官はジュネーブで述べた。

アブドゥルファッターフ・アル・ブルハン陸軍参謀長と、同氏の元副官で準軍事組織の即応支援部隊（RSF）を指揮するモハメド・ハムダン・ダガロ氏にそれぞれ従う部隊間の紛争から逃れるため、ますます多くの人々が国境を越えてもいる。

戦闘は首都ハルツームに集中しているものの、別のエリア、特にチャドと国境を接する西部のダルフール地域においても激しい戦闘が行われている。

国連の難民機関は8日に、15万人のスーダン国民が周辺諸国に避難したと発表した。

戦闘地帯に取り残された人々は、国連によると、戦闘開始前にも人口の約3分の1が人道支援を必要としていた国で、水、電力、食料、医療の不足に直面している。

外国主導の陸路、海路、空路による避難で、さらに数千人が出国した。その多くは今のところ平和を維持している、紅海に面したポートスーダンから避難した。

8日に行われた軍を支持するデモでは、民間人の武装を求める声もあり、これまでにも民族紛争の歴史が刻まれてきた同国において、警戒が高まっている。

「1つの軍隊、ひとつの民衆」と、ベジャ族に属する数百人のデモ参加者は繰り返した。

参加者らは「交渉の拒絶」も呼びかけた。これは、海の向こうのサウジアラビアの都市ジェッダでブルハン氏とダガロ氏の代表団同士が行っている停戦交渉に言及したものだ。

戦闘が続く中、国連も支援するこういった交渉は、何の進展も見せていない。

国連の人道支援責任者であるマーティン・グリフィス氏は、「人道援助の安全な輸送を保障するための決意宣言を双方に提案した後、現在はジェッダを離れている」と、ニューヨークの国連報道官が述べた。

アナリストらは、両将軍の間の戦いが長期化し、より広範な紛争に拡大する可能性があると見ている。

「戦争が長引くにつれて．．．地域で人々がみずから武装し始めるか、軍がRSFに対抗する民兵を育てるという手段に出るか、もしくはその両方が起こるリスクが高まっている」と、リフトバレー研究所のマグディ・エル・ギゾーリ氏はAFPに語った。

国連によると、スーダンは現在の紛争前にも、昨年約900人の死者を出した局地的紛争に苦しんでいた。

こういった紛争は多くの場合、不足する水や他の資源の使用権をめぐってのものだが、2021年10月にブルハン氏とダガロ氏がクーデターを起こし、長年の独裁者オマル・アル・バシールの失脚後の民主主義移行を頓挫させて以来の、治安の崩壊を反映したものでもある。

両将軍がその後、権力闘争において敵対したことが、現在の戦闘につながった。

国営メディアは9日に、白ナイル州の州都で、ハルツームから南スーダンへ向かう道の最後の主要都市であるコスティでの激しい戦闘について報じた。

7日のハウサ族とヌバ族の戦闘により、16人が死亡、多数が負傷し、地域に夜間外出禁止令が出されたと、国営通信社SUNAが伝えた。

国連はスーダンの人道的状況を壊滅的だと評している。

各支援施設は「大規模な略奪」に合っており、直近では週末にハルツームの世界食糧計画（WFP）が被害にあったと、国連報道官が8日に述べた。

スーダンの銀行連盟は9日に、「ハルツームの一部の銀行」も略奪に合っていると述べ、スーダンの人々に貯蓄への影響はないと請け合った。

サウジアラビアにいる代表団は合意に近付いていないと見られる中、ハルツーム北部で9日に「さまざまな種類の兵器が発射された」と、シャムバト地区のある住人が伝えた。

別の目撃者は、首都の南で戦闘が続いていると報告した。

スーダン外務省は、ブルハン陸軍参謀長が9日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領とコモロのアザリ・アスマニ現アフリカ連合議長から電話を受けたと述べた。

同省の声明によると、アスマニ氏は「危機を終結させ、スーダンの安定を回復するための合意到達を支援する目的で、ジェッダに特使を派遣する」という。

2021年のクーデター以来、スーダンの資格を一時停止しているアフリカ連合と、東アフリカの地域組織である政府間開発機構（IGAD）は、南スーダンのサルバ・キール大統領の仲介による話し合いを求めている。

北方の隣国であるスーダンを通じて石油を輸出する南スーダンに、紛争が及ぼす影響についての懸念が高まっている。

国連の「アフリカの角」担当特使は安全保障理事会で、「すぐに安定が回復しなければ」、スーダンが受け入れている20万人以上の南スーダン難民が南に戻る可能性があると述べた。

AFP