Since 1975
日本語で読むアラビアのニュース
  • facebook
  • twitter
  • Home
  • 中東
  • トルコとシリア、モスクワで和解に向けた対話

トルコとシリア、モスクワで和解に向けた対話

会談中のイラン、ロシア、シリア、トルコの外相ら。2023年5月10日、モスクワ。(ロイター)
会談中のイラン、ロシア、シリア、トルコの外相ら。2023年5月10日、モスクワ。(ロイター)
Short Url:
11 May 2023 06:05:40 GMT9
11 May 2023 06:05:40 GMT9
  • この会談は「トルコ・シリア関係の正常化に向けたロードマップ策定への道を開くだろう」

モスクワ:ロシアの外相は10日、トルコ、シリア、イランの外相らを迎えて会談を行った。トルコとシリアの政府関係者の会談としては、10年以上前にシリア内戦が始まって以降で最高レベルのものとなった。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は開会スピーチの中で、この会談がトルコ・シリア関係の正常化に向けたロードマップ策定への道を開くことに期待を表明した。

同外相はロシアの役割について、「これまでになされた進展を政治的に確固たるものにするだけでなく、さらなる動きに向けた全般的なガイドラインを決定すること」だと考えていると述べた。

ロシアは何年もかけて、シリアのバッシャール・アサド大統領が内戦で壊れたトルコやその他の国々との関係を修復するのを支援しようとしてきた。この内戦は50万人近くの死者を出し、シリアの戦前の人口2300万人のうち約半数を難民にした。

ロシアは2015年9月からシリアに軍事介入し、アサド政権が国土の大半を奪還するのをイランと手を組んで支援した。ロシアは、自国の軍の大部分がウクライナでの戦闘に忙殺されているにもかかわらず、シリアにおける軍事的プレゼンスを維持している。

12年におよんでいる紛争を通して、トルコはアサド大統領を権力の座から追放するために反体制派武装勢力を支援してきた。

シリア政府は、かつて反体制派が掌握した北西部の飛び地をトルコが支配していることを度々非難してきた。トルコは2016年以降、米国が支援するクルド人勢力に対する軍事侵攻を数回にわたって実施し、この領地を占領した。

トルコとシリアの和解に向けた今回の動きの背景には、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、急激な経済低迷や反移民感情の高まりの中、シリア難民を送還するよう国内で強い圧力に晒されている事情がある。同大統領は14日に行われる大統領選挙と議会選挙で再選を目指す。

シリア国営メディアによると、ファイサル・ミクダード外相は10日の会談において、シリアとトルコは「目標と共通の利益を共有している」と述べた。また、「過去数年間には好ましくないことがいろいろとあったが」、シリアは今回の会談を「友好国であるロシアとイランからの支援や支持を受けて両国政府が協力するための」機会と見ているとした。

ただ同外相は、シリア政府の「主な目標」は同国における「違法な」軍事プレゼンスを、トルコ軍のものも含め全て終わらせることであると付け加えた。

「撤退の問題については引き続き要求・主張していく」

シリアとトルコで数万人の死者を出した2月の大地震の後、地域のシリアとの関係正常化が加速し始めた。

4月にはモスクワで、トルコ、シリア、イランの国防相の会談が行われた。ロシアによると、この会談は「シリア・アラブ共和国の安全保障を強化しシリア・トルコ関係を正常化するための実務的な措置」に焦点を当てたものだった。

別の動きもあった。アラブ連盟は7日、シリアを同連盟に復帰させることで合意し、2011年にアサド大統領が当初は平和的だった民主化デモを残忍に弾圧したことを受けて12年間停止されていた同国の参加資格を回復させた。

特に人気
オススメ

return to top