
ガザ:イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ南部の都市ハンユーニスにある集合住宅を標的とした空爆を行い、パレスチナ人3人が死亡、7人が負傷した。
「イスラム聖戦」は、この攻撃で、同組織の軍事部門「サラヤ·アル·コッズ」のロケット弾プログラムの司令官、アリ·ハッサン·ガリ氏が、兄弟のマフムード氏および甥とともに殺害されたと発表した。
8日未明に始まり現在も続く攻撃の応酬でイスラエル軍により殺害された著名な武装組織幹部は、ガリ氏で4人目となった。
ガリ氏はイスラム聖戦の軍事評議会のメンバーであり、軍事部門のリーダーであった。
イスラエル軍はまた、ガザ地区南部のハンユーニスと北部のベイトラヒヤで、住民に避難するよう警告した後、3軒の家を空爆で完全に破壊したが、負傷者は出なかった。
「シオニスト占領軍(イスラエル軍)は、安全な(場所であるはずの)自宅やアパートで過ごしている人々を米国製のミサイルで狙い続けている。(今回の爆撃も)占領軍による攻撃で、ハンユーニス県ハマドの住宅が標的となった」と、イスラム聖戦は声明でイスラエルを非難した。
声明によると、この攻撃により3人が「殉教」し、家屋やアパート、住宅が破壊されたという。
「住宅への爆撃で暗殺を狙うなどという方法は、敵に勝利をもたらすことはなく、今後の攻撃は敵の弱さと無力さを明らかにするものになるだろう」と声明は述べている。
また、「アリ·ガリ司令官の殉教も我々のロケット弾を止めることはなく、アル·コッズの部隊は砲撃の規模と威力を拡大する用意がある」とイスラム聖戦側からの攻撃続行の意図も明確にされている。
今回の爆撃より以前の10日朝、パレスチナ保健省は、イスラエル軍の爆撃による犠牲者は、子ども6人と女性4人を含むパレスチナ人25人に上り、70人以上が負傷し、そのうちの何人かは重体であると発表していた。
イスラエルによるガザ地区各地への爆撃にもかかわらず、パレスチナの武装組織はイスラエルの町に向けたロケット弾攻撃を続けていた。その最大のものは10日夕方のテルアビブへの攻撃であった。
ガザのイスラム聖戦のタリク·セルミ報道官は、「レジスタンス勢力は占領軍の攻撃に立ち向かい、その部隊に死傷者を出すことができる」と述べている。
エジプトなどがガザ地区の平穏を取り戻すための停戦を試みている中、イスラエルによる爆撃、ガザからのミサイル発射は続いている。
イスラム聖戦の関係者は、会談のためにカイロを訪れていた。特に、ガザ地区の同組織の政治担当幹部で、現在はイスタンブール在住のムハンマド·アル·ヒンディ氏も訪問団に参加していた。
「エジプトの兄弟たちから停戦実現について詳細を話し合うよう招待を受け、我々の幹部が多数、カイロに向かった」とセルミ報道官はアラブニュースに語った。
イスラム聖戦は、ハンガーストライキを行いながらイスラエルの刑務所で死亡したハデル·アドナン氏の遺体の返還に加え、イスラエルが同組織の幹部や他のパレスチナ人勢力に対する「暗殺」政策の取り止めを要求している。
「占領軍が暗殺政策を完全に止めると誓約しなければ、停戦合意はあり得ない」とセルミ報道官は述べた。
長引くイスラエルとの戦闘、またエレズとケレム·シャロームの両検問所の閉鎖により、ガザ地区の住民は苦しみ続けている。
パレスチナ自治政府情報部は、「占領軍がガザ地区唯一の発電所に必要な燃料の供給を3日連続で阻止したため、発電所の稼働継続と発電能力が脅かされている」と声明で発表した。
声明はさらに、「燃料が不足し始め、発電所の停止は時間の問題となっており、ガザ地区の人道、健康、環境への危機が迫っている」と訴えている。
イスラエル政府の当局者は、ベンヤミン·ネタニヤフ首相の事務所からヘブライ語メディアに配布された声明の中で、「我々は暗殺政策を止めないし、いかなる条件によってもハデル·アドナン氏の遺体を返還することはない」と断言している。
「接触は続いているが、我々はエジプトに何も約束していないし、いかなる条件も受け入れない」とこの当局者は述べている。