リヤド:15日、サウジアラビアで19日に開催される首脳会議に向けた準備会合にシリア政府関係者が出席し、同国の10年以上にわたるアラブ連盟からの追放に終止符が打たれた。
国営テレビ局アル·イフバリヤによって生中継されたこの会合で、サウジのムハンマド·アル·ジャダーン財務相は、「私は(…)この場を借りてシリア·アラブ共和国をアラブ連盟に歓迎したい」と述べた。
さらに、「我々が目指すものを実現するために皆で協力できることを楽しみにしている」と続けると、カメラはシリア代表団にパンした。
シリア政府関係者がアラブ連盟の会合に出席するのは、同連盟が2011年に暴力的なデモ弾圧をめぐって同国の参加資格を停止して以来となった。このデモ弾圧をきっかけに始まった内戦では50万人以上が死亡、数百万人が難民となっている。
アラブ連盟は今月、シリア政府を再び受け入れることを正式に決定し、バッシャール·アサド大統領のアラブ世界への復帰を保証した。
サウジのサルマン国王は、19日に紅海沿岸の都市ジェッダで開かれる首脳会議にアサド大統領を招待している。同大統領にとって2010年のリビアでの会議以来の出席となる。
イランとロシアからの重要な支援を受けて権力を維持し失われた領土を奪還してきたアサド大統領に対し、地域諸国は徐々に好意的になってきている。
UAEは2018年にシリアとの国交を回復し、シリアの復帰に向けた最近の動きを主導している。
2月6日にシリアとトルコを襲った大地震以降、外交活動が加速した。
サウジアラビアと、シリアの緊密な同盟国であるイランが3月に国交回復を決定したことも、地域の政治情勢を変えた。
サウジアラビアは先週、両国それぞれの公館で業務が再開されることを正式に発表した。
しかし、シリア国内の前線の大半は沈静化しているものの、北部の大部分は政府による支配を逃れたままであり、内戦の政治的解決は見えていない。
アラブ9ヶ国の外相は先月サウジアラビアで会合を開き、シリア危機について協議した。5月1日にはシリアを含む地域5ヶ国の外相がヨルダンで会談した。
ただ、地域の全ての国が迅速にアサド大統領との関係を修復したわけではない。
カタールは今月、アサド政権との関係正常化は行わないとしつつも、それはシリアのアラブ連盟復帰の「障害」とはならないだろうと述べた。