カイロ:スーダン軍司令官は、資源豊富なスーダンの支配権をめぐる戦いの最新の措置として、敵対する準軍事組織の銀行口座をすべて凍結するよう命じた。
敵対する2つの勢力は数週間にわたってスーダン全土で戦闘を繰り広げ、同国を全面戦争の危機に追い込んでいる。
アブドゥルファッターフ・ブルハン将軍が5月14日に発令したこの法令は、スーダンの銀行にある準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の公式口座と、RSFに属するすべての企業の口座を対象とするものであると国営通信社SUNAが報じた。
この口座凍結がRSFに直ちにどのような影響を与えるのか、またブルハン氏の命令がどのように執行されるのかは、依然として不明である。RSFはこの10年、スーダンの金融機関や金準備を徐々に取得し、巨額の富を築いてきた。
ブルハン氏は14日、スーダン中央銀行総裁を交代させた。15日には、スーダン警察のトップを解任し、外務省の大使2人を解任した。ブルハン氏はこの措置について詳しくは語らなかった。
4月中旬以来、ブルハン氏が率いるスーダン軍とモハメド・ハムダン・ダガロ氏が率いるRSFが権力闘争を繰り広げ、数万人が近隣諸国への避難を余儀なくされている。
紛争が勃発して以来、スーダンの大部分は混沌に支配されている。首都ハルツームは市街戦の場と化し、西部ダルフール地方は死者を出す部族間衝突に揺れている。世界保健機関(WHO)によると、この紛争で多くの民間人を含む600人以上が死亡している。
西ダルフール州の州都ジェネイナで先週2日間にわたって発生した戦闘では、多数の死者が出たと、民間人犠牲者の追跡調査を行っているスーダン・ドクターズ・シンジケートが発表した。その発表によると、12日にRSFの戦闘員と民兵がジェネイナに入り、他の武装グループや住民と衝突し、戦闘が始まったという。
一方、15日にはハルツーム南部の地区で爆発音が轟き、オンラインに投稿された動画には、ハルツームのすぐ東にある東ナイル地区の病院が爆撃される様子が映っている。
人権団体は、RSFによる略奪や市民への攻撃、そしてスーダン軍よる住宅地の無差別爆撃を非難している。戦闘が始まって以来、両者は何度か短期間の停戦に合意したが、その合意はすべて破られてきた。また、両者とも相手の人権侵害を激しく非難し、非難の応酬を繰り広げている。
スーダンの人権問題に取り組む法律家団体「エマージェンシー・ロイヤーズ」によると、14日に首都ハルツームの双子都市オムドゥルマンにある女子大が武装集団に襲撃され、女性2人がレイプされた。
同団体によると、襲撃はRSFの支配地域にあるアフファド女子大学の教員寮内で起きたという。このニュースは、RSFが関与したとされる性的暴行事件が相次いでいる中で発表された。
11日にスーダン軍とRSFはサウジアラビアの都市ジェッダで協定に署名し、紛争から逃れた民間人の安全な通行とスーダンでの人道支援活動の保護を約束した。この合意を永続的な休戦につなげようと、サウジアラビアと米国が主導する国際的な取り組みが進行中だ。
AP