チュニス:イスラム主義に影響を受けたチュニジアのアンナハダ党は16日、ラシード・ガンヌーシ党首に下された1年の実刑判決を「不当な政治的評決」だと非難した。
カイス・サイード大統領の有力な対抗者であるガンヌーシ氏は、4月17日の逮捕後、テロ関連容疑で15日に判決を受けた。
同氏は過去にも警察官を「暴君」と呼んだとして訴えられ、2月末に出廷していた。
この訴訟は、ガンヌーシ氏に対して当局が起こしたいくつかの訴訟のうちの1つである。ガンヌーシ氏のアンナハダ党は、政令による統治を可能にする権力奪取の一環として2021年7月にサイード大統領が議会を停止するまでは、議会で最大の政党だった。
元議会議長である81歳のガンヌーシ氏は拘束前、左派や政治的イスラムなどの異なる視点を根絶することは「内戦」につながる可能性があると発言していた。
アンナハダ党は声明で「我々はラシード・ガンヌーシ氏に対して下された判決を不当な政治的評決とみなし、これを非難し、同氏の釈放を求める」と述べた。
ガンヌーシ氏は「その発言や著作において過激主義やテロリズムを否定し、穏健主義を提唱してきた」経緯がある、と声明は付け加えた。
ヒューマン・ライツ・ウォッチのチュニジア担当ディレクターであるサルサビル・チェラリ氏は、「この判決は、当局が野党の評判を落とし、根絶するために反テロ法を用いていることをさらに証明した」と述べた。
ガンヌーシ氏の逮捕とその後の実刑判決は、「いずれもアンナハダ党の党首としての公言に基づくものだった」と同氏は付け加えた。
「サイード大統領のもと、行政による司法問題への介入を背景に、チュニジアの政治活動は恣意的な逮捕によって中断されている」
1年の禁固刑に加え、ガンヌーシ氏には1,000ディナール(326ドル)の罰金が科せられた。
ガンヌーシ氏は昨年11月にも、自身の政党がジハード主義者のイラクとシリアへの渡航を支援したとの疑惑で法廷に立たされていた。
それ以前にも、同氏はアンナハダ党に関連する慈善団体への外国からの寄付について、マネーロンダリングの疑いで取り調べを受けている。
ガンヌーシ氏は、サイード大統領の権力掌握後に逮捕された最も著名な野党の人物である。
同氏は、2月以降に逮捕されたサイード大統領の政敵や元大臣、財界人など20人以上の人物の中に含まれている。
AFP