
ワシントンDC: 米軍トップのミリー統合参謀本部議長は25日、ロシアがウクライナ戦争で軍事的勝利を収めることはない、とのコメントを出し、また同時にウクライナが近いうちにロシア軍を自国領から撃退する見込みも薄い、と述べた。
同氏によるコメントは、一方が全面的勝利を収める気配もなく、交渉も行われていないことから、ウクライナ戦争は長期化するとの見通しを示すものである。
「軍事的には、ロシアがこの戦争に勝利することはないだろう。そうはならない」ミリー氏はウクライナの支援国によるオンライン会議の終了後、記者にこう語った。
ロシアの当初の戦略上の目的は、ウクライナ政府の打倒を含め「軍事的手段によって達成されることはない、そうは決してならない」と同氏は述べた。
また同時に、現在ウクライナ領には何十万人ものロシア軍が駐在しており、ウクライナの全領土の奪還は「近い将来には」なし得ないだろう、とも述べた。
「つまり、戦争は続くということだ。血で血を洗う、苦難に満ちたものになるだろう。そしていつか、双方の交渉が落としどころを見つけるか、軍事的な決着がつくことになるだろう」
2022年2月のロシアによる侵攻以来、米国は先陣を切ってウクライナの国際的サポートを呼びかけ、迅速にウクライナに連帯し、何十もの国による支援を働きかけてきた。
ウクライナ支持国による安全保障に関する支援額は計650億ドルにのぼっている、とロイド・オースティン米国防相は述べた。
ホワイトハウスは先週、米政府はこれまでと一転して、F-16を含む新型戦闘機の供与に踏み切ることを発表した。
25日、ウクライナ支持国の間で「ウクライナ軍パイロットにF-16を含む第4世代戦闘機の操縦訓練を行う計画について議論」した、とオースティン氏はミリー氏とともに述べ、「この訓練の計画・実行は大変な仕事になるだろう」と加えた。
オースティン氏によると、F-16を保有しない国や、訓練、兵器の整備・維持という仕方で直接支援する能力を持たない国から、この計画への経済的支援を受けるための基金を立ち上げるかもしれない、と述べた。
ミリー氏はウクライナに戦闘機を供与する方針を決定した背景について、ウクライナの空軍力強化には長時間を要し、戦争早期には戦闘機より他のひっ迫したニーズに資金を優先して投入する必要があった、と説明した。
「この戦争に必要な規模の空軍を組織するには相当の時間がかかるだろう」と同氏は述べた。
AFP