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レバノン諸野党、大統領候補について「合意に至る」

議会の様子。レバノン議会が公開した配布写真。レバノンの首都ベイルート。(AFPファイル写真)
議会の様子。レバノン議会が公開した配布写真。レバノンの首都ベイルート。(AFPファイル写真)
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03 Jun 2023 05:06:46 GMT9
03 Jun 2023 05:06:46 GMT9
  • 7ヶ月前にミシェル・アウン前大統領が大統領宮殿を後にして以来、レバノンは憲法上の危機の中にある

ベイルート:レバノンのある議会議員が、同国の諸野党は大統領候補について合意に至ったと述べた。7ヶ月におよぶ権力空白を終わらせる突破口となる可能性がありそうだ。

レバノン軍団のファディ・カラム議員はアラブニュースに対し、以前はヒズボラと同陣営にいた自由愛国運動(FPM)がジハド・アズール氏の擁立を承認することに同意したとして、「全ての兆しが明るい」と語った。同氏は現在、国際通貨基金(IMF)中東・中央アジア局長を務めている。

カラム議員は2日に行われた野党会合の後、「我々はFPMと合意に至った。現在、公式発表の適切な時期を探っている」と話した。「各党がそれぞれの立場を発表するかもしれないが、確実に言えるのはFPMがアズール氏を承認し独自に立場を発表するだろうということだ」

また、その発表は5日までに行われる可能性があるとした。

さらに、アズール氏の支持者らは同氏の選出に必要な65票を確保するべく「進歩社会党や穏健派ブロックを含む他の政党や無所属議員と意思疎通を図っている」と語った。「兆しは明るい」という。

7ヶ月前にミシェル・アウン前大統領が大統領宮殿を後にして以来、レバノンは憲法上の危機の中にある。それ以降、議員による投票が11回行われたがいずれも大統領の選出に失敗している。ナビーフ・ビッリー議会議長はこの状況を受け、「当選可能な大統領候補が少なくとも2人提示され」ない限りはさらなる投票の実施を拒否するとしたうえで、「妨害や脅迫は何の役にも立たないし利益にもならない」と警告した。

ヒズボラ、アマル運動、その同盟勢力は、元大臣でマラダ運動トップのスレイマン・フランジェ氏の擁立を支持している。FPMはヒズボラと同陣営にいたが、ヒズボラが同氏の擁立を承認したため敵に回った。

アズール氏はまずキリスト教諸政党によって推薦された。彼らは現在、FPMに同氏の擁立を承認させることに主に力を入れている。

一方、ミシェル・モアワド氏を支持している野党もある。

マロン派のビシャーラ・アル・ライ総主教は、ビッリー議長に対し投票をスケジュールするよう迫っている野党勢力に加わっている。

バチカン訪問から帰国したアル・ライ総主教は、「ビッリー議長は、ミシェル・アウン前大統領の任期が終わる2ヶ月前に議会を招集するべきだったが、一部の者が憲法に違反した」と述べた。

また、バチカンとフランスから「キリスト教諸政党が大統領候補について合意できるよう内部で他の勢力と協力する」ように頼まれたことを明らかにしたうえで、「ビッリー議長やヒズボラを含む」誰とでも話す用意があると述べた。

米国のバーバラ・リーフ国務次官補(中近東担当)は、同国の政権は新大統領選出の妨害を続けているレバノン政府関係者に制裁を科すことを検討していると述べた。

同国務次官補は声明の中で次のように続けた。「米政権はレバノンの現状に深く失望しており、同国や欧州のパートナーと協力してレバノン議会に対し職務を果たすよう求めている」

「レバノン国民の代表らは職務を果たすことを怠った。議会議長は1月以来、議員らが大統領候補を擁立して投票で大統領を選出できるような議会を実現できずにいる」

3月にレバノンを訪問したリーフ国務次官補は、「国家としてのレバノンの崩壊」に警鐘を鳴らし、時間が「尽きつつある」と訴えた。また、「政治指導者や議員の多くに危機感」がないことに驚いたと述べた。

改革派のワッダー・サデク議員は、今週末までに2人の「当選可能な候補者」が正式に擁立されることを確信していると述べた。

同議員は次のように語った。「1人目の当選可能な候補者はフランジェ氏だ。5日までに、多くの議会ブロックや議員からの承認を得たうえで2人目の当選可能な候補者が発表されるだろう」

「来週の議会がスピーディーに進行することを期待している。もし何かが起こって定足数が失われるようなことがあれば、我々はそれを新たな妨害、この国の民主主義への攻撃であると見なす。この国に民主主義が残っていればだが」

無所属のビラル・ホウシャイミ議員は、「アズール氏を擁立するというキリスト教諸政党の合意」を支持すると表明した。「世界銀行において専門的な地位にある同氏は、レバノンの奈落の底からの回復を主導できる」

また、「(フランジェ氏は)コンセンサスを求めているが、キリスト教政党の大半からは受け入れられていない」とした。

さらに、ヒズボラは他のことを犠牲にしてもレバノン内の小国を維持したいと考えていると述べた。

ヒズボラの議会ブロックのトップであるモハメド・ラード氏は次のように述べた。「大統領選で重要なのは人ではなく、レジスタンスを言祝ぐのは誰で、レジスタンスを裏切るのは誰かということだ」

また、次のように続けた。「(ヒズボラは)フランジェ氏を支持する。同氏はレジスタンスを裏切らないし、我々と、政敵を含む他の勢力との間の意思疎通の架け橋になることができると確信しているからだ。また、周辺のアラブ諸国や、レバノン問題に関心を持つ国々との意思疎通も行うことができる」

さらに、フランジェ氏の擁立に反対している者たちは「大統領空位期間を長引かせており、敵のためにこの国を支配しようと考えている」と述べた。

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