
テルアビブ:イスラエル各地の都市や町では10日、23週目に突入したデモの一環として数千人が街頭に繰り出し、物議を醸している司法改革計画や、アラブ系住民コミュニティーを狙った死者を伴う暴力に抗議した。
強硬右派政権による改革案は、最高裁判所の権限を縮小し、裁判官の選出において政治家により大きな権限を与えるものだ。
ベンヤミン・ネタニヤフ首相は3月、国民を二分している改革案に関する話し合いを可能にするための「一時停止」を発表した。
AFP特派員によると、テルアビブ中心部には数千人が集まった。デモに参加していたハイテクワーカーのミハル・ガト(47)さんは、「私たちの国は極端な人々によって捕らえられています(…)私たちは人質に取られているのです」と語った。
「雨でも炎天下でも、私たちは子供を連れて23週間(…)ここに来ています」
「イスラエル国民にとって、この国が民主主義国家であり続けることはとても重要です」
イスラエルの少数派であるアラブ系住民を狙った犯罪の波の高まりに対する政府の無為を批判するメッセージを掲げるデモ参加者もいた。
あるものには、「アラブ社会での殺人からベングビールが逃げ切ることは許さない」と書かれていた。極右のイスラエル閣僚イタマル・ベングビール国家安全保障相のことだ。
いくつかのNGOによると、今年に入ってからアラブ系イスラエル人のコミュニティーにおける犯罪関連の暴力で約100人が死亡している。
警察によると、ナザレ市近郊のアラブ人の町ヤフィアにある洗車場で8日、5人のアラブ系イスラエル人が射殺された。
イスラエルのアラブ系住民は長年、自分たちへの差別に、そして自分たちのコミュニティーが不釣り合いに被害を受けている暴力や犯罪に対する警察の無為に不満を抱いてきた。
デモ主催者らは10日、ハイファやレホボトなどの都市を含むイスラエル各地でさらなるデモを行うよう要求した。
先月イスラエル国会が国家予算を承認した際、ネタニヤフ首相は「司法改革に関して可能な限り幅広い理解に達するための努力を続ける」ことを確約した。
同首相率いるリクード党と極右政党やユダヤ教超正統派政党による連立であるネタニヤフ政権は、立法と司法の間の権限のバランスを取り直すためにこの改革が必要だと主張している。
AFP