
ムカッラー:イエメンの大統領指導評議会議長のラシャド・アル・アリミ氏は25日、イエメンのためのサウジ開発・復興プログラム(Saudi Development and Reconstruction Program for Yemen、SDRPY)から、総額12億SR(サウジアラビア・リヤル)(3.2億ドル)の資金提供を受けた20の開発プロジェクトを、イエメン南東のハドラマウト県で発足させた。
イエメン人の苦しみを和らげ、健康・教育・運輸・エネルギーセクターにおける大きな問題に対処するための、さまざまなセクターにおけるプロジェクトを発足させるため、アル・アリミ氏はイエメンやサウジの当局者と共に、ハドラマウトの県都ムカッラーで行われた祝賀会に出席した。
このプロジェクトには、がん病院の建設、大学病院の改修、25MWの発電所の建設、ムカッラーやサイウーンなど、ハドラマウト県内における都市の道路建設が含まれている。
また、SDRPYは、サウジアラビアと接するAl-Wadea国境検問所の再建、シバーム旧市街の保存、2棟の学校建設、サユーン宮殿の改修、さまざまな農業・漁業プロジェクトにも資金を提供している。
政府職員と地元高官が出席した別の会合で行った演説において、アル・アリミ氏は、ハドラマウト県による地元資源の管理統治・運営を可能にすることで、政府は地方分権の実施に着手するつもりだと述べた。
ハドラマウトで地方分権が成功したら、政府が支配する他県も後に続くことになる。
「ハドラマウトは独自に財政、行政、安全保障を管理することになり、われわれは全県が同水準の特権を享受するようになることを保証します。この新構想が成功したら、全県へと導入されます」とアル・アリミ氏は述べた。
ハドラマウト県知事のMabkout bin Madhi氏は、プロジェクトについてサウジアラビアに感謝を述べ、イエメン政府に対しては、サービスを修復し、食料・日用品価格の高騰に対処し、イエメン・リヤルを安定させるよう促した。
アル・アリミ氏は、顧問や政府大臣を従えて24日、大統領評議会を発足した2022年4月以来初めてムカッラーに降り立った。
その一方、南部のアビヤン県で25日に発生した武装組織アルカイダとの衝突によって、イエメン兵1人が死亡したと地元の安全保障当局者は述べた。
アルカイダはイエメン政府軍に対し、アビヤン県の広大で起伏に富んだオマラン谷にて攻撃を開始し、結果として政府軍と数時間に及ぶ戦闘を行った。
今回の攻撃は、昨年この谷を急襲したイエメン軍に対してアルカイダが行った、直近の反撃およびゲリラ戦略だった。
9月以降、アビヤン県とシャブワ県にて南部独立派がアルカイダに対する攻撃を開始した際には、数十人の兵士が死亡または負傷している。
それとは別に、タイズ県とダーリウ県にて、政府軍とフーシ派との間で散発的な戦闘が勃発しており、フーシ派民兵隊は主要都市の外に軍隊を配備し、政府軍に対してドローン攻撃を開始した。
イエメン軍はタイズ県北部Al-Osefrahにて24日、フーシ派と戦闘を行った。フーシ派戦闘員は包囲した町の新しい地域を占拠するため、地上攻撃とドローン攻撃を続けた。
また、イエメン兵とフーシ派は互いに、ダーリウ県北部のAl-Ahsha地区で迫撃砲や重火器の撃ち合いをしたことが、地元当局者やメディア報道により分かった。