
国連のトル・ウェネスランド中東特使は、「入植者による極端に激しい暴力に特別の懸念を抱いている」と発表 エルサレム: ある治安当局高官が28日に発表したところによると、先週ヨルダン川西岸地区のイスラエル占領地でパレスチナ人に対する暴力行為に及んだとして、4人のイスラエル人が議論を呼ぶ措置のもと拘束された。
ガラント防衛相は通常パレスチナ人に対してのみ発行される行政の逮捕令状をイスラエル人らに対して発行した。異例の動きだ。
行政拘禁は、容疑者が起訴および裁判の手続きなしで、更新により最長6カ月の期間拘束されるという議論を呼ぶ措置だ。
ある関係者は、問題の機密性から匿名で、拘束された4人は先週ヨルダン川西岸地区で発生した暴力的事件に関わり「無実の人々の生命を危険に晒した」容疑がかけられている、とAFPに語った。
4人はパレスチナ人の財の破壊および車の放火の容疑もかかっている。
1967年の「六日戦争」以来、イスラエルは東エルサレムを除くヨルダン川西岸地区を占領し続けており、占領地内の国際法違反とされている入植地で暮らすイスラエル人は49万人前後にのぼる。
ヨルダン川西岸地区での暴力は昨年始めからエスカレートし続けている。先週の騒動は、ヨルダン川西岸地区北部のユダヤ人入植地エリ近郊で2人のパレスチナ人が4人のイスラエル人を射殺した事件からほどなく発生した。加害者らは後に射殺された。
パレスチナ人らによるその射殺事件は、その前日にジェニンで発生した、イスラエル軍による深刻な襲撃事件に対する報復だった、とパレスチナのハマス運動は発表した。
エリ近郊で発生した事件のあと、ユダヤ人入植者が百人単位でパレスチナ人のトゥルムス・アヤ村に
押し寄せ、住民を襲撃、パレスチナ人の財や車に放火した。
それに続き発生したイスラエル軍との衝突では1人のパレスチナ人が射殺された。
イスラエル軍は23日、ユダヤ人入植者による攻撃の防止に「失敗した」と認めた。
当時、米国は事件を「憂慮すべきもの」と発表し、国連のトル・ウェネスランド中東特使は27日、「入植者による極端に激しい暴力に特別の懸念を抱いている」と発表した。
拘束された4人はまた、複数の「隠密的、および非隠密的に行われた暴力活動に数年にわたって」関与していたことが判明した、と同匿名関係者は述べ、過去には接触禁止命令を受けてもいたと加えた。
同関係者によれば、4人の中には過去「イスラエル国防軍(IDF)の兵士および治安部隊に敵対的な行動」をしていた者もいたという。
過去に逮捕され、接触禁止命令を受けていたにも関わらず、4人は「先週発生した複数の件において」パレスチナ人の財に対する危険な破壊活動を行っていた容疑がかけられている、と同関係者は述べた。
4人のうち3人はトゥルムス・アヤ村での襲撃事件の翌日6月22日に、残りの1人は23日に逮捕された。
イスラエルよると、行政拘禁は当局が証拠収集を進める間も容疑者を拘束し続け、別の攻撃や治安を脅かす犯罪の発生を防止することを目的とする措置だという。
行政拘禁はパレスチナ人に対して頻繁にとられる措置で、イスラエル当局はパレスチナ人、人権団体および国際社会から、措置の濫用を厳しく非難されてきた。
AFP