
ワシントン:イスラエル建国75周年を記念し、同国と米国との特別な関係を再確認するために、イスラエルのイツハク・ヘルツォグ大統領が7月19日に米国上下両院合同会議で演説する予定であると、29日に米議会指導者が発表した。
「米国とイスラエルが協力すれば、世界はより良くなる」と、ケビン・マッカーシー下院議長(共和党、カリフォルニア州)の声明は述べている。「1948年の独立宣言から11分後、米国はイスラエル国家を承認する最初の国になった。そして今日、我々は断たれることのない両民主主義国の絆を強化し続けている」
マッカーシー氏は5月にイスラエル国会で演説した。
現職の米下院議長がイスラエルのクネセトで演説するのは25年ぶりで、イスラエル政府とジョー・バイデン米大統領が緊張関係にある時期に行われた。
過去に上下両院合同会議で演説したイスラエル大統領は、ヘルツォグ氏の父であるハイム・ヘルツォグ大統領(当時)だけであり、35年以上前のことだと、マッカーシー氏は指摘した。
イスラエルの大統領職は主に儀礼的なポストで、多様性に富み分断されることの多いこの国において、統合力と道徳の羅針盤としての役割を果たすことが期待されている。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこれまでに3回、米議会で演説を行っており、直近では2015年に共和党指導者に招待され、当時のバラク・オバマ大統領によるイランとの核合意に向けた動きを非難する演説を行った。
この演説はホワイトハウスと与党民主党の指導者を激怒させた。
当時オバマ氏の下で副大統領を務めていたバイデン氏は、外国訪問のためネタニヤフ氏の演説に出席しなかった。通常であれば、上院議長を兼ねる副大統領は、イスラエル指導者が演説している間、その後方に座っているはずだった。
昨年12月に政権に復帰したネタニヤフ氏は、バイデン氏とは数十年来の知己だ。
だが、権威主義への移行と批評家にみなされている、ネタニヤフ氏の提案によるイスラエルの司法制度改革や、ヨルダン川西岸地区の入植地拡大やパレスチナに対する懲罰的措置などの同政権の強硬な姿勢を巡って、両者は意見が対立している。
ネタニヤフ氏の立場は、米国とパレスチナの関係を強化しようとするバイデン氏の動きと真っ向から対立する。
3月にバイデン氏は、「近い将来に」ネタニヤフ氏をホワイトハウスに招待する計画はないと述べた。
バイデン氏への挑戦として、5月にマッカーシー氏は、バイデン氏がしないのであれば、自分がネタニヤフ氏を招待して米議会で演説してもらうと語った。
昨年、上院多数党院内総務のチャック・シューマー氏と当時のナンシー・ペロシ下院議長はヘルツォグ氏を議会演説に招待した。2月にシューマー氏はイスラエルを訪問し、ヘルツォグ氏と会談した。
シューマー氏はヘルツォグ氏について、「常に偉大な指導者であり続けており、現在は特に大きな影響力を持っている」と語った。
「上下両院合同会議での演説への招待は、党派政治を超えた数十年に及ぶ上下両院の超党派でのイスラエル支援の証であり、ヘルツォグ氏を米国連邦議会議事堂に迎えるのを心待ちにしている」と、シューマー氏は述べた。
AP