
ベイルート:レバノン・イスラエル国境の国連平和維持軍は3日、武装組織ヒズボラが先月設営した2つのテントをめぐる緊張に関して、同軍の司令官が両国の当局と接触していることを明らかにした。
イスラエルは6月、国境からイスラエル領内に数十メートル(ヤード)入ったところにヒズボラがテントを設営したとして国連に苦情を申し立てた。
テントが設営されたシェバー・ファームズとクファル・シュバ丘陵は、1967年の中東戦争でイスラエルがシリアから奪った地域であり、イスラエルが1981年に併合したシリアのゴラン高原の一部である。レバノン政府は、この地域は自国に属するとしている。
イスラエルメディアは2日、ヒズボラが2つのテントのうち1つを撤去したと報じたが、同組織からはそれを認めるコメントは出ていない。
国連の平和維持軍であるレバノン暫定駐留軍(UNIFIL)はAP通信に送った声明の中で、ミッション長のアロルド・ラザロ少将が「テントをめぐる状況を解決するためにブルーラインの両側の当局に直接接触を続けている」ことを明らかにした。2000年にイスラエルがレバノン南部から撤退した後に画定された境界線はブルーラインとして知られている。
UNIFILは、「我々はテントがブルーラインの北側に移設されたという報告を精査している」としたうえで、「ブルーライン付近での」無許可な存在や活動はいかなるものであれ「懸念すべきものであり、緊張と誤解を助長する恐れがある」と述べた。
ヒズボラの議会ブロックの代表であるモハメド・ラード氏は1日、これらのテントはレバノン領内にあるとしたうえで、「この国にはレジスタンスと強い男たちがいるから(イスラエルは)2つのテントを撤去できない」と警告した。
イスラエルとヒズボラは2006年、レバノンにおいて1ヶ月間にわたる戦争を行った。ヒズボラは先週、レバノン南部の村の上空を飛行していたイスラエルのドローンを撃墜したと発表した。ヒズボラは過去にもイスラエルのドローンを撃墜したと主張してきたが、イスラエル軍も同じくヒズボラのドローンを撃墜したと発表してきた。
イスラエルは、ヒズボラが約15万発のロケット弾やミサイルをイスラエルに向けていると推定しており、同組織を最も深刻で差し迫った脅威と見なしている。
AP