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イスラエルはヨルダン川西岸地区の過激派拠点から軍隊を撤退 今後もあり得ると警告

少なくとも13人のパレスチナ人が死亡することになった2日間の激しい軍事作戦は、5日朝の撤退により終了した。(AP通信)
少なくとも13人のパレスチナ人が死亡することになった2日間の激しい軍事作戦は、5日朝の撤退により終了した。(AP通信)
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05 Jul 2023 08:07:15 GMT9
05 Jul 2023 08:07:15 GMT9
  • 少なくとも13人のパレスチナ人が死亡することになった2日間の激しい軍事作戦は、5日朝の撤退により終了した
  • イスラエル陸軍はジェニン難民キャンプの武装勢力に対し、大きな損害を与えたと主張した

ジェニン:イスラエル軍は5日、占領されているヨルダン川西岸地区の過激派拠点から軍隊を撤退させ、2日間の軍事作戦は終了した。少なくとも13人のパレスチナ人が死亡し、数千人が家を追われ、被害は広範囲に及んだ。

 また、イスラエル人兵士が1名死亡した。

イスラエル陸軍は、一連の空爆と、数百の地上部隊による軍事作戦において、ジェニン難民キャンプの武装勢力に対し、大きな損害を与えたと主張した。

しかし、ヨルダン川西岸地区でおよそ1年半続く激しい戦闘の後で、何らかの長く続く影響があるかどうかは不明瞭なままだ。

撤退を前にして、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、必要に応じて同様の作戦を実行すると宣言した。

「この瞬間にも、私たちは特殊任務を完了しています。そして1つ言えることとして、私たちのジェニンでの広範囲にわたる軍事作戦は1度限りではありません」と、ネタニヤフ首相はジェニン郊外の軍隊駐屯地を訪問した際に述べた。「私たちはどこであっても、発見したテロを撲滅し攻撃します」

20年前に、イスラエルによる終わりのない占領に対して武装したパレスチナ人が起こした暴動が終わって以来、今回のジェニンでの襲撃は、ヨルダン川西岸地区での軍事作戦で最も激しいものの1つだった。

2022年初頭から、パレスチナ人による一連の激しい攻撃を受けて、イスラエルはほぼ毎日のようにヨルダン川西岸地区を急襲している。イスラエルによると、襲撃はパレスチナ人過激派に対する断固たる措置で、パレスチナ自治政府が弱すぎるために必要なのだという。

パレスチナ人によると、こうした暴力行為は56年間の占領と、イスラエルとの政治的プロセスの欠如がもたらした避けられない結果であるという。パレスチナ人はまた、ヨルダン川西岸地区での入植地建設の増加と、過激な入植者による暴力行為について指摘した。

イスラエルは3日早朝、長年パレスチナ人過激派の本拠地として知られていた難民キャンプを、武器の破壊と没収を目標とした軍事作戦によって攻撃した。

大きな軍用ブルドーザーが路地をズタズタにして、道路や建物に大きな被害をもたらし、数千人の住民は親類と共に安全を求めてキャンプを逃れたりシェルターへと避難した。電気と水道は停止していると住民は言った。陸軍によると、道路には爆発物のブービートラップが仕掛けられていたため、ブルドーザーが必要だったという。

イスラエル軍は、数千の武器、爆弾製造の材料、現金を没収したと発表した。

武器は過激派の潜伏場所からも民間人居住地域からも同様に見つかっており、うち1件はモスクの下から見つかったと、軍は述べている。

軍が撤退したのは、ハマスの過激派の1人が混雑するテルアビブのバス停に車を突っ込み、人を刺し始めてから数時間後のことだった。この殺傷事件では8人が負傷し、その中には妊娠中の女性も含まれていたが、報道によると赤ちゃんは死亡したという。襲撃者は武器を持った近くの人によって殺された。ハマスは、この攻撃はイスラエルによる攻撃への報復だと言っている。

5日未明、ハマスが支配するガザの過激派もまた、イスラエルへ向けて5発のロケットを発射したが、イスラエルは迎撃したと言う。イスラエルのジェット機はガザの複数の用地を攻撃した。

ジェニンでは5日朝の撤退直前まで戦闘が続いていた。

イスラエル軍によると、4日遅くに、ジェニンの墓地にいる武装勢力を標的とした空爆を行ったという。銃で武装した集団がキャンプから移動する部隊を脅したという。イスラエルとパレスチナの当局者は共に、4日遅くにジェニンの病院近くで戦闘があったと報告している。現場にいたAP通信記者には爆発音と銃声が聞こえていた。

パレスチナの保健当局者によると、イスラエルによる襲撃によって、13人のパレスチナ人が死亡し、数十人が負傷したという。イスラエル軍は、過激派だけを殺害したと主張しているが、詳細については明かしていない。

大規模な襲撃が発生したのは、1年以上に及ぶ暴力行為が急増する中でのことで、ネタニヤフ氏の極右政府への課題となっていた。政府は超国家主義者が優位を占めており、パレスチナ人過激派に対する厳しい行動を求めてきたが、戦闘が酷くなっただけだった。

ヨルダン川西岸地区では今年、140人以上のパレスチナ人が殺害されており、イスラエル人を標的としたパレスチナ人による攻撃では少なくとも25人が殺害されており、その中には4人の入植者が殺害された先月の銃撃事件も含まれている。

持続する軍事作戦によって、悪化する状況に対する人道団体からの警告が増加している。

国境なき医師団は病院の中へ催涙ガスを発射した陸軍を非難した。救急処置室は煙で満たされ、救急患者は玄関ホールで治療される事態となった。

国連人権高等弁務官は、作戦の規模は「国際的な人権の規範と基準に関して、生存権の保護と尊重を含んだたくさんの深刻な問題を提起しています」と述べる。

キャンプに住んでいるKefah Ja’ayyasah氏によると、兵士が家に押し入り、家族を中に閉じ込めたという。

「家族の中の若い男性は上の階へ連れていかれ、1階には女性と子供が閉じ込められていました」

兵士は、子供たちへの食べ物を取りに行かせてくれず、大声で助けを求めた時には救急隊員が家に入れないよう妨げたが、最終的には家族が病院へ行くことを許可したと彼女は訴えた。

ヨルダン川西岸地区の至る所で、イスラエル人による襲撃に抗議するゼネラルストライキをパレスチナ人は目撃している。

空爆と陸上部隊の大規模な駐留は、2000年代初頭のパレスチナ人による第2次蜂起時におけるイスラエル軍の戦略の特徴を有している。しかし、範囲が限定されているといった違いもある。

イスラエルは、ヨルダン川西岸地区、東エルサレム、ガザ地区を1967年の中東戦争によって占領した。パレスチナ人は待望の独立国家のためにその占領地を求めている。

AP

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