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日本とUAEの宇宙への大躍進

三菱重工業が2020年7月20日に撮影・公開した、アラビア語で「アル・アマル」と呼ばれるホープ・プローブを搭載したH-2Aロケット。(AFP=時事)
三菱重工業が2020年7月20日に撮影・公開した、アラビア語で「アル・アマル」と呼ばれるホープ・プローブを搭載したH-2Aロケット。(AFP=時事)
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17 Jul 2023 02:07:21 GMT9
17 Jul 2023 02:07:21 GMT9

アラブニュースジャパン

ドバイ: 日本の岸田文雄首相のUAE訪問は、宇宙を含む両国間の絆の強化を強調するものとなる。

火星から月に至るまで、日本とUAEは協力して宇宙を探査し、科学、通信技術、ロボット工学の分野の質的発展に貢献する数々の科学実験を実施してきた。

今年、日本の株式会社ispaceは湾岸諸国と協力し、UAEのラシッド探査機を月に着陸させた。着陸に失敗したものの、探査機を搭載したHakuto-R Mission 1宇宙船は2022年12月に宇宙へ打ち上げられた。

強力な宇宙パートナーシップを維持するため、UAEは首長国の宇宙飛行士スルタン・アル・ネヤディ氏を、今回のミッションの前に日本で訓練するために派遣した。

昨年、アル・ネヤディ宇宙飛行士はミッションに備え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターで1週間の訓練を受けた。

アル・ネヤディ氏はNASAのスペースXクルー6のメンバーで、今年の春に国際宇宙ステーションへの6ヶ月間のミッションに乗り出した。

しかし、日本とアラブ首長国連邦の宇宙における最大の功績は、三菱重工業のH-IIAロケットF42に搭載されたマーズ・ホープ・プローブが種子島宇宙センターから打ち上げられた2020年7月にさかのぼる。

このロケットは日本の主力ロケットであり、世界で最も信頼性の高いロケットのひとつである。7月のホープの打上げは、45回連続のH-IIA/H-IIB打上げ成功であり、累積成功率は98%であった。

エミレーツ火星ミッションの準備は2020年の6年前から始まり、探査機は首長国のエンジニアからなる最初のチームとともに、作戦に協力するために1年間日本に滞在した。

シェイク・アブドゥラー・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーンUAE外務・国際協力相によれば、UAEと日本の協力関係は「特徴的な戦略的パートナーシップを例証するもの」である。

日本の茂木敏充元外相も、UAEの火星探査機「ホープ・プローブ」の打ち上げを、両国の「強い関係」を象徴する「非常に重要なプロジェクト」であると賞賛した。

JAXAの石井康夫副理事長は当時、「種子島宇宙センターからH-IIAロケットによるホープ探査機の歴史的な打ち上げに参加できたことは、宇宙航空研究開発機構にとって名誉なことだ」と述べた。

石井氏は、アラブ初の火星探査を実現させたUAEの努力を賞賛し、”宇宙活動におけるUAEとのさらなる協力の推進を期待している “と述べた。

また、日本の中島 明彦元在UAE大使も、UAEが挑戦し、成功させた「困難な仕事」を指摘した。

「成熟した技術も新興の技術も含め、すべての関連技術を単一のミッション・アーキテクチャに統合するには、優れた才能、度胸、スキルが必要です」と述べた。

この宇宙ミッションは、UAEと日本の更なる二国間協力の機会をもたらすものであった。

三菱重工の阿部直彦上席副社長兼統合防衛・宇宙システム部長は打ち上げ当日、次のように述べた: 「2016年3月の契約締結から4年間、UAE宇宙庁とMBRSCの継続的な支援と協力に大変感謝している。

「COVID-19による世界的危機の中、探査機による火星ミッションの成功が世界中の人々に希望と喜びをもたらすことを心から願っています。三菱重工は、UAE政府と長年にわたって築いてきた信頼関係を大切にしています。”

ホープ・プローブは今年4月、7回目となる観測データを公開した。更新されたデータには、塵の動きのハイケイデンス観測や、火星上層大気を研究するための極紫外線波長での恒星掩蔽の初観測が含まれる。

また、火星の大気を通過する恒星の光を検出する恒星掩蔽観測のデータも含まれており、CO2の濃度を調べることができる。

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