
カイロ:アラブ連盟とエジプトは27日、イスラエル政府の閣僚2人に率いられた入植者集団によるアル・アクサモスク突入を非難し、危険な結果をもたらすことになると警告した。
イタマル・ベングビール大臣とイツハク・ヴァッサーラウフ大臣は27日、イスラエル占領警察による厳重な警護のもと、衝突が多発しているこのモスクの敷地内を訪問した。
占領当局は岩のドームの鍵も押収した。
今回の訪問は、イスラエル・パレスチナ関係における緊張が高まる中で起こった。
アラブ連盟事務総局は声明の中で、イスラエル政府高官や入植者による度重なるアル・アクサモスク突入は世界中のイスラム教徒に対する挑発であり、全ての国際憲章と法律に対する違反だと警告した。
さらに次のように続けた。「(今回の行為は)アル・アクサモスクの歴史的・法的現状を変更し、時間的・空間的分割という政策を押し付けようとする、占領政府による組織的な政策の枠組み内で行われたものだ」
同連盟は、今回の行為がもたらす結果や地域の平和・安定に及ぼす影響の全責任はイスラエル占領当局にあると述べた。
また、国際社会およびそれを構成する国々や機関に対し、直ちに介入して攻撃をやめさせ、パレスチナの人々に保護を提供し、イスラエルとその政府関係者らに犯罪の責任を負わせるよう求めた。
さらに、国際社会に対し、イスラエルを法の適用を受けない国家として扱わないよう求めたうえで、そのような扱いによって同国がさらなる犯罪を犯すことが助長されていると述べた。
エジプト外務省はイスラエルに対し、挑発行為や扇動行為を直ちにやめるよう求めたうえで、そういった行為は人々の感情を刺激し、占領下のパレスチナ領土に既に存在する緊張状態を高めるだけだと述べた。
また、アル・アクサモスクを訪れ礼拝するというイスラム教徒の固有の権利の行使をイスラエル当局が妨げていることを非難した。
続けて、アル・アクサモスクに対する相次ぐ突入や時間的・空間的分割の試みによって、専らイスラムの寄進財産でありイスラム教徒の礼拝のための場所であるという同モスクの現行の法的・歴史的地位が揺らぐことはないと強調した。
さらに、このような無責任な行為は地域の今後の安全・安定に危険な結果をもたらすことになると警告した。
パレスチナ自治政府のエルサレム問題省は、イスラエル政府およびベングビール大臣のような過激主義者は世界中のイスラム教徒を挑発することで「事態を宗教戦争に向けて推し進め」ようとしていると警告した。
パレスチナ外務省はベングビール大臣による訪問について、アル・アクサモスクにイスラエルの主権を押し付けようとする試みと見なすと述べた。
アラブ連盟事務総長の報道官であるジャマル・ラシュディ氏は、同連盟事務総局がハーグの国際刑事裁判所に支援を求める嘆願書を送付したことを明らかにした。
また、嘆願書にはイスラエルによる占領・植民地主義的入植のもとでパレスチナ人が被っている被害の証拠が記載されているとしたうえで、パレスチナ人の権利を確固たるものにするためには国際法の分野における闘争が非常に重要だと述べた。